AIが賢くなるほど、人は増えていく|Microsoft Frontier Companyが示す、AI時代の企業変革パラドックス

おはようございます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
“室長”こと吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications | Microsoft Regional Director)です。

弊社は6月決算でした。一年間大変お世話になりました。一緒にお時間を過ごせた皆さまに、心より感謝しております。本当にありがとうございました。本年度も何卒宜しくお願い致します。

さて、7月に入り、私はここ数週間、日本、ASEAN、オセアニア、欧州のメンバーと会議を重ねながら、FY27に向けた計画づくりに追われています。深夜にブログを書いたあと、誤字脱字のチェックやHTML化をAIに手伝ってもらうのが、すっかり日課になりました。気付けば、AIは私にとって「深夜の友」です。

そんな矢先、今週立て続けに気になるニュースが飛び込んできました。7月2日、Microsoftが「Microsoft Frontier Company」という新組織を発表しました。25億ドルを投資し、6,000人の業界専門家とエンジニアを顧客企業に送り込むという内容です。驚いたのはその規模ではありません。タイミングです。その2日前にAWSが同種の施策に10億ドルを投じると発表し、5月にはOpenAIが40億ドル超、Anthropicも15億ドル規模で同じような組織を立ち上げていました。わずか8週間の間に、AI業界の主要4社が、申し合わせたように同じ結論にたどり着いたのです。

顧客の中に、人を送り込む

AIがこれだけ賢くなった今、なぜどの会社も「人」に巨額を投じているのでしょうか。今日は、この不思議な符合から見えてきた、AI時代の企業変革について考えてみたいと思います。実はこの3ヶ月、似たようなことをずっと考えながらブログを書いてきました。その話は、最後にまとめて置いておきます。

AI × 企業変革

第1章 AIの課題は、もはやAIではない

最近、お客様とAIの話をしていて、不思議な感覚があります。

Copilotをどう使うか。AIエージェントをどこに適用するか。どの業務から自動化するか。会話はそこから始まります。しかし30分もすると、論点はまったく別のところに移っています。

営業部門とサービス部門の連携がうまくいかない。国ごとに業務プロセスが異なる。データの持ち方が統一されていない。意思決定が属人的になっている。

技術の話をしていたはずなのに、気付けば組織の話をしている。この数ヶ月、そんな場面が明らかに増えました。

先日、自動車業界向けに開催したセミナーでも同じことを感じました。「もし日本のOEM本社が、各国のNSCを経由せず、世界中のディーラーの販売データやCSIスコアをリアルタイムで見られたら」というダッシュボードや、データを資産として持つことでフロントエンドをいつでも載せ替えられるようになったCadillac ANZの事例を紹介したところ、参加者の方々から「未来感があって参考になった」というコメントを複数いただきました。

ありがたい反面、少し複雑な気持ちにもなりました。技術的には、もうそれができる世界です。マスターデータさえきちんと整えば、AIがダッシュボードを作り、統合プロファイルを生成し、乗り換えのタイミングまで予測してくれます。それでも「未来感がある」と感じていただけるということは、多くの企業にとって、まだそこにたどり着けていない現実があるということです。

なぜたどり着けないのか。答えはいつも同じところに戻ってきます。メーカーとディーラーの間で「顧客データの主導権」の合意ができていない。国ごとに商習慣も、責任の持ち方も違う。データを入れることの対価が現場に見えていない。技術ではなく、組織と信頼関係の問題です。

考えてみれば、これはCRMやERPのプロジェクトで何十年も見てきた構図と同じです。システムを導入したからといって、会社が変わるわけではありません。Dynamics 365を入れたから売上が上がるわけでも、ERPを入れたから利益率が改善するわけでもない。変わるのは、そのシステムを使って仕事のやり方を変えた組織の方です。

AIも同じなのだと思います。AIエージェントは作れる。Copilotも導入できる。技術的なハードルは、以前とは比較にならないほど下がりました。しかし、それだけでは会社は変わりません。誰かが業務を見直し、誰かが現場を説得し、誰かが変化を定着させる必要がある。その役割は、今も昔も人間が担っています。

だからこそ、Microsoft Frontier Companyの発表を、私は「AIの発表」としてではなく「企業変革の発表」として読みました。そしてAmazon、OpenAI、Anthropicが同じタイミングで似た結論に至ったという事実は、これが一社の判断ではなく、業界全体が気づき始めた何かなのだと感じさせます。

AIは答えを出してくれます。しかし、「どの答えを採用するのか」「誰が責任を持つのか」「組織としてどう運用するのか」までは決めてくれません。多くの企業が今直面しているのは、AIをどう作るかではなく、AIをどう業務や組織に組み込むかという課題です。

技術の議論が、最後は必ず人と組織の議論に戻ってくる。今回の4社同時多発の投資は、その現実を裏付けているように思えるのです。


第2章 企業の知性は、どこに存在するのか

では、企業が本当に守ろうとしているものは何なのでしょうか。

Microsoft Frontier Companyの発表を読みながら、私が興味を持ったのは、AIモデルそのものよりも、その土台にある考え方でした。発表の中には、Intelligence PlatformとTrust Platformという言葉が登場します。

企業における「知性」とは何でしょうか。

AIモデルのことでしょうか。大量のデータのことでしょうか。

私は少し違うように思います。

営業担当者が退職した瞬間に失われる顧客との関係。ベテラン経理担当者しか知らない処理手順。工場長の経験則。そして、あの自動車業界セミナーで市川が話していた、ベテラン営業の「黒皮の手帳」の中にしか残っていない顧客情報。

そうしたものこそが、企業が長年かけて蓄積してきた知性の正体です。しかし、その多くは今も人の頭の中、あるいは個人の手帳の中にあります。

だから企業は何十年もの間、ERPやCRMを導入してきました。会計をデータ化する。営業活動を記録する。業務プロセスを標準化する。それは単なるシステム導入ではなく、企業の知識や経験を組織の資産として残そうとする試みでした。

そう考えると、Microsoftが語るIntelligence Platformとは、AIのための基盤というよりも、企業の知性を蓄積し活用するための基盤と考えた方が自然かもしれません。

一方で、その知性を活用するには、もう一つ重要なものが要ります。Trustです。

AIが顧客対応を行う。AIが発注を提案する。AIが与信確認を行う。技術的にはもう十分実現可能な世界になりつつあります。しかし企業として本当に重要なのは、「なぜその判断をしたのか」「誰が承認したのか」「どの情報を根拠にしたのか」を説明できることです。AIエージェントが働く時代になるほど、データガバナンス・監査・説明責任はむしろ重くなります。

室長ノート

Intelligence Platformが企業の知性を蓄積する仕組みだとすれば、Trust Platformはその知性を安心して活用するための仕組みです。

この二つが揃って初めて、企業は「黒皮の手帳」の中身を組織の資産に変えられる。

ここまで考えると、今回の発表の本質が見えてきます。MicrosoftはAIの話をしているのではなく、企業の知性をどう蓄積し、どう安心して使うのかという話をしている。そして、その舞台の中心にあるのが、Dynamics 365をはじめとするビジネスアプリケーション群なのだと思います。


第3章 知性の蓄積は、データの土台があって初めて成立する

では、その世界をDynamics 365で考えてみましょう。

AIエージェントの話になると、「AIが仕事をする」という表現が使われることがあります。しかし実際には、「AIがどのデータを見て、どの業務の中で動くのか」の方が重要です。

まずCRMの世界があります。Dynamics 365 SalesやCustomer Serviceです。誰が商談しているのか。どの案件が進行しているのか。顧客が何に興味を持ち、何に困っているのか。AIエージェントは、まずここで顧客の文脈を理解します。

しかし、それだけでは十分ではありません。顧客が商品を注文したあと、企業では何が起きるでしょうか。販売。購買。在庫管理。請求。会計処理。ここから先はERPの世界、Business CentralやFinanceが担当する領域です。

つまり、CRMだけでは顧客が見える。ERPだけでは取引が見える。しかし企業は見えない。

このことを、私はあの自動車業界セミナーで改めて思い知らされました。市川が「バラバラ殺データ事件」と呼んでいたあの話です。OEM側のCRM・ERP・会計、ディーラー側のDMS(新車)・DMS(アフター)・CRM(新車)・CRM(アフター)・会計―合計8つのシステムが、それぞれ独自の「主キー」で動いている。同じ顧客が「株式会社テクノソフトコンサルティング」「テクノソフトコンサルティング(株)」「テクノソフトオートモーティブ事業部」等と、最大6通りの表記で別人格として存在している。

ゴミを入れれば、ゴミが出てくる。Garbage In, Garbage Out。

営業担当者が「次に提案すべき商品は何か」と聞いたとしましょう。CRMは商談履歴を知っています。しかし在庫はあるか、利益率はどうか、未回収債権はないかという情報はERP側にあります。しかも、その二つの世界で「同じ顧客」が同じ顧客として認識されていなければ、AIエージェントは端から答えを出せません。

この溝は、自動車業界セミナーだけの話ではありませんでした。6月4日のMicrosoft Automotive Summit 2026で、豊田自動織機の畠山卓也氏がこう語っていたのを思い出します。「データはあるが意思決定につながらない」。塗装工程の良品条件を可視化するプロジェクトで、データに基づく意思決定を現場に委ねる設計にしたにもかかわらず、分析に時間がかかり、意思決定のサイクルが回らなかったそうです。これを打破したのが、Sight Machineとの連携によるリアルタイムデータ統合でした。工程ごとに分断されていたデータを製品単位で紐付けたことで、要因分析が数日から数時間に短縮されたといいます。

同じサミットで、マツダの木谷昭博氏は購買部門の話をしていました。複数システムに分散していた情報をData Lakeで一元化し、コスト検討や発注戦略という本来業務に集中できる環境を整備したと。そしてBMWの白井宏忠氏は、Dynamics CRMの「ONE Platform」で顧客データ・行動履歴・販売履歴・入庫履歴を統合管理し、Power BIベースのレポーティングに移行したことで、可視性を大きく向上させたと話していました。

自動車業界のディーラーも、豊田自動織機の工場も、マツダの購買部門も、BMWのディーラー網も、業種は違えど同じ壁にぶつかっていました。データを「持っている」ことと、データが「使われる」ことの間には、必ず設計の一手間が要る。豊田自動織機は分析基盤の再構築で、マツダはData Lakeへの統合で、BMWはCRMを軸にしたプラットフォーム統合で、その溝を埋めていました。

つまりAIエージェントが本当に働くためには、CRM・ERP・Microsoft 365・Power Platform・Dataverseを横断して、業務全体を、しかも同じ顧客・同じ主キーとして理解しなければなりません。私がDirections Asiaで特に印象的だったのは、Business Central MCP Serverの話でした。ERPの機能やデータを、AIエージェントが利用できる世界が見え始めています。これは単なるUIの進化ではなく、これまで人がERP画面を開いて行っていた作業を、AIエージェントが業務プロセスの中で利用する世界です。

そして、その世界において重要になるのは、どのデータを参照するのか。どの業務まで任せるのか。どこで人間が判断するのか。どのログを残すのか。実は、こうした設計こそが本来のDXだったのかもしれません。画面を作ることでも、入力項目を増やすことでもない。AIエージェントが企業の知性を活用できるようにすること。そのためにERPとCRMをつなぎ、名寄せという「ラスボス」を乗り越え、信頼できる形で運用すること。

Microsoft Frontier Companyの発表を見ながら、私はDynamics 365がAIを搭載したERPやCRMへ進化しているのではなく、企業の知性を支えるプラットフォームへ進化しようとしているように感じています。そしてその進化は、AIの華やかな話の前に、まずデータという地味な土台を作り直すところから始まっているのだと思います。


第4章 パラドックス―AIが賢くなるほど、人は増えている

ここで、一つの矛盾に向き合わなければなりません。

この2年間、AIをめぐる議論の大半は「人が減る」という前提で語られてきました。営業担当者はいらなくなるのか。経理担当者はいらなくなるのか。プログラマーはいらなくなるのか。AIが賢くなればなるほど、人員は削減されていく—多くの人が、そう予想していたはずです。

ところが、Microsoft Frontier Companyがやったことは、その真逆でした。

AIモデルに投資するのではなく、6,000人を顧客企業に送り込む。Amazon、OpenAI、Anthropicも同じ8週間のうちに、同じ方向に舵を切りました。合計すれば、4社で1兆円規模の投資と、数千人〜数万人規模の人員を、顧客企業の中に「埋め込む」動きです。

AIが賢くなればなるほど、人は減るはずだったのに。なぜ、これほど多くの人を、わざわざ企業の中に押し込もうとしているのでしょうか。

答えは、Dynamics 365の現場を見ていると、意外なほどはっきり見えてきます。

Business Central―「型」を作る人が要る

BCの強みは、Finance・SCM・販売・購買・在庫が単一データモデルで一体化していることです。マスターがきちんと作られていれば、AIエージェントは驚くほど賢く動きます。「この品目は月末に需要が跳ね上がる」「このサプライヤーとは価格交渉の余地がある」—そんな自社固有の判断パターンを、エージェントが業務トレースから学習していく世界です。

しかし、その学習素材を「型」として設計するのは、今のところ人にしかできません。どの承認フローを自律化してよいか、どの仕訳パターンをエージェントに任せてよいか、どこで人間の確認を挟むか。この設計を誤ると、月末にまとめて入力される歪んだデータをそのまま学習した、「月末だけ賢いエージェント」が出来上がってしまいます。BCが中堅企業にとって強力な学習環境になるかどうかは、結局、現場に張り付いて型を作る人がいるかどうかにかかっています。

Finance & Operations―複雑さの数だけ、判断が要る

FOは複数法人・複数通貨・複数会計基準という複雑性の中で動くグローバル企業向けのERPです。この複雑さこそが、実はAgentを「導入するだけ」では済まない理由です。

法人間取引の消去ルール、現地法人ごとの会計処理の違い、原価計算ポリシー。こうした企業固有のルールは、汎用モデルには学習できません。Demand AgentとSupplier Agentが在庫・納期・CO2排出量を踏まえて発注条件をリアルタイムで合意する、という世界はすでに技術的に見え始めています。しかし、その合意の範囲をどこまで自律に委ねるか、どの例外を人間にエスカレーションするかを設計する人間が、拠点の数だけ、ルールの数だけ必要になります。グローバル展開すればするほど、Agentは賢くなる余地が増える一方で、その賢さを設計する人手も増えていく。これがFOの現実です。

CRM(Dynamics 365 Sales)―勝ちパターンは、現場でしか作れない

Sales AgentがLead to Cashを自律的に推進する未来はもう絵空事ではありません。ERPの在庫・与信を確認し、見積ドラフトを自動生成し、営業担当者は承認ボタンを押すだけ——そんなシーンは、すでに具体的に描けるところまで来ています。

しかし、Agentが学習するのは「この会社の、このチームの、この市場での勝ち方」です。それは商談の現場でしか生まれません。誰にどう提案すれば響くのか、どのタイミングで踏み込み、どこで引くのか——そうした暗黙知を、リアルタイムで入力し、言語化し、Agentに渡していく人間の存在なしには、CRMのAgentは永遠に「業界一般のベストプラクティス」しか語れないモデルのままです。

パラドックスの正体

つまり、こういうことです。AIエージェントが賢くなるために必要なのは、AIを開発する人材ではなく、Agentのそばで「型」を作り、「例外」を判断し、「勝ちパターン」を現場から汲み上げる人材です。BC・FO・CRM、どの領域でも、Agentが自律的に動けば動くほど、その自律性を設計し、境界を引き、学習素材の質を担保する人間の役割は、減るどころか増えていきます。

Frontier Companyが6,000人を顧客企業に送り込んだのは、AIの導入を手伝うためではなく、この「型づくり」「境界設計」「現場の言語化」を、顧客企業の中で一緒にやるためだったのではないか——そう考えると、あの発表の規模感にも、ようやく納得がいきます。

AIが人を代替する時代ではなく、AIを賢くするために、より多くの人が企業の内側に必要とされる時代。それが今、静かに始まっているのだと思います。


第5章 それでも最後は人が変化を作る

ここまで、AI、Agent、Trust Platform、CRM×ERP、そしてパラドックスについて考えてきました。そして私は、Microsoft Frontier Companyの発表を通じて、一つのことを改めて感じています。

企業変革とは、技術導入ではないということです。

このことを、私は理屈としてではなく、現場の生々しい手触りとして知っています。あの自動車業界セミナーのQ&Aセッションで、私はこんな質問を受けました。「ディーラーの協力をどう獲得するか」「データ共有における競争優位性をどう作るか」。

技術的な答えは、実はもう用意できます。データ共有インセンティブをKPIに組み込む。CRMデータ入力率の高いディーラーにリード配分を優先する。同意管理をシステムに標準組み込みにする。これらはすべて、設計すればできることです。

しかし、あの開催報告ブログには「以下、セミナーではお話しなかった内容です」として、こう書きました。これらは技術で解く問題ではなく、組織変革の問題だと。

「顧客は俺のもの」という営業文化は、自動車業界に限った話ではありません。データを出すと、OEMやNSCに顧客を奪われるという恐怖感がある。これはインセンティブでは解決できない、感情的で文化的な問題です。「入力する時間がない」という現場の悲鳴も、日報・商談記録・システム入力の三重苦の中では、正直な現実です。そして「プライバシー・法的リスク」への不安は、誰がどこまで使っていいのかが不明確なまま「出せ」と言われても、現場は動けないという、至極まっとうな抵抗です。

本質的な問題として、日本では「誰が責任を取るか」が曖昧なまま運用されているケースが多いように感じています。その結果として、ディーラーが怖くてデータを出さない、という消極性につながっているのではないでしょうか。責任の明確化は、インセンティブより先に解決すべき、データ共有の前提条件なのだと思います。

これは、CRMやERPのプロジェクトで何十年も見てきた構図と、寸分違わず同じです。

変化を受け入れる組織だったか。業務を見直す覚悟があったか。部門を超えて協力できたか。現場と経営が同じ方向を見ていたか。プロジェクトの成否を分けるのは、いつもここでした。

AIエージェントの時代になっても、この本質は変わりません。AIは分析できます。要約できます。予測できます。提案できます。しかし、「顧客は俺のもの」という感情を溶かすことはできません。「誰が責任を取るか」を曖昧なままにしている組織の空気を変えることもできません。ディーラーの不安に寄り添い、信頼関係を積み上げることも、AIにはできません。その役割は、今も人間に残されています。

だからこそMicrosoft Frontier Companyは、AIモデルだけに投資するのではなく、人にも投資したのだと思います。6,000人という規模は、AIの導入を手伝うためではなく、あの自動車業界の現場で直面しているのと同じ「責任の所在を明確にし、現場の恐怖感を解きほぐし、組織文化を少しずつ動かす」という、地道で、時に泥臭い仕事のためだったのではないでしょうか。

AIが賢くなるほど、人が不要になるのではない。むしろ、人に求められる役割が変わる。オンラインセミナーの画面を閉じたあの夜、私はそう感じていました。


エピローグ AI時代の「深夜の友」

この記事を書いている今も、深夜です。

7月に入り、FY27の計画づくりに追われる日々の中で、AIは私にとってすっかり「深夜の友」になりました。ブログを書き終えたあと、誤字脱字のチェックやHTML化を手伝ってもらう。そうは言っても、AIですから、HTMLやCSSを自分で手直しする労力も必要です。以前は一人で考えていた時間を、今はAIと一緒に過ごしている気がします。

しかし、Microsoft Frontier Companyの発表から、Amazon・OpenAI・Anthropicの同時多発的な動きを見て、あらためて感じたことがあります。「AIが人を不要にする未来ではなかった」ということです。

むしろ逆でした。AIが賢くなればなるほど、人は人にしかできない仕事を求められるようになる。組織をまとめること。データという地味な土台を作り直すこと。変化を生み出すこと。信頼を築くこと。その中心には、これからも人がいるのだと思います。

気付けば、AIはすっかり私の「深夜の友」になりました。しかし、企業を変えるために必要なのは、友人ではありません。同じ志を持つ仲間です。そして、その仲間は現段階でも人間なのだと思っています。

もし今、あなたにとっての「深夜の友」を探しているなら、DX365LIFEもぜひご活用ください。

ブログだけでなく、Spotifyでポッドキャストも配信中です。通勤中でも、深夜でも、気軽に聞き流していただけます。

この3ヶ月、こんな記事を書いてきました。よろしければ、覗いてみてくださいね!


見て、聞いて、動いた3ヶ月

考えを積み上げた連載

個別テーマを掘り下げた実践編

それでは、また次回。Let’s Enjoy our DX365Life!

dx365jp
  • dx365jp
  • 25年ほど、Microsoft Dynamics 365 【ERP(NAV/AX)+CRM】の導入コンサルティングに従事し、日本を含む34か国において導入コンサルティングを経験してきました。グローバル環境における“プロジェクト”と“マーケティング”を生業としております。

    最近は、【CRM/MKTG(攻めのDX)⇔ ERP(守りのDX)】+【ローコード】というDX365な活動に奮闘中です。Microsoft Dynamics 365 ビジネスで地球を92周中です。#DX365 #DynamicsIoT

    Microsoftの運営する外部技術者グローバル組織「Microsoft MVP(*日本163名/世界3674名)・ Microsoftのトラスティッドアドバイザーである「Microsoft Regional Director (*日本4名/世界167名)」として、複数のITコミュニティーにて活動中。(*2026/08/08時点)

    プロフィールはこちら→bit.ly/Dynamics365JP