Directions ASIA 2026|ベトナムホーチミンにて初開催!

こんばんは。室長こと、吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications | Microsoft Regional Director) です。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
僕は、花粉かな。咳が止まらなくて、鼻水が出るし、めっちゃしんどいです。
花粉症になる年と、ならない年があるんですよね。今年はやられた感じです….残念!
さて、昨夜はPower Apps Weekly Newsにゲスト出演させていただきました。
あまり気の利いたことは言えなかったですが、誰かの、何かに、役立っていれば幸いです!
月末は、Power BI Weekly Newsにて、お話をさせていただく予定です。乞うご期待!
さて、今日は、1か月後に迫ってきた【Directions Asia 2026】について、書いておこうと思います。
Directions Asia 2026 | ホーチミン初開催!
〜3年間の軌跡と、AI時代における私たちの「真の価値」〜

今年は、初めてベトナムのホーチミンで、2026年5月13日から15日にかけて開催されます。
Directionsは、マイクロソフトのビジネスアプリケーション(BC/CRM/Power Platform)のパートナー会の名称で、
Directions EMEA、Directions NA(北米)、Directions ASIAと各地域で、毎年開催されています。
実は、Directions Asiaは、Directions EMEA(現Directions 4 Partners)の実行委員のメンバーが企画・運営を行っています。
私自身、Directions EMEA/NAに幾度も参加する中で、Directions Asiaを開催して欲しいということを彼らに懇願し続け、
結果として、思いが繋がり、はやいもので、今回で8回目の開催となります。
Directions EMEAのChristian(クリスチャン)、Torben(トーベン)、Frank(フランク)、Daya(ダイヤ)の協力なしに、
このイベントは存在していないので、未だに凄く感謝しています。
Directions EMEAで、“Ryo、Directions Asiaの件だけど、そろそろやってみようか?”
とクリスチャンが言ってくれた事を、未だによく覚えています。あの時の感動は忘れないな。
マイクロソフトのR&Dチーム数十名が、毎回参加してキーノートやブレイクアウトセッションを盛り上げてくれています。
世界中から集まってくれる20名ほどのMicrosoft MVPの仲間たちが新しい技術に自分たちの経験を加え、新しい内容をマーケットに訴求。
各国で活躍するDynamicsのITコミュニティーリーダーの方々が情報を拡散。
そして、イベントに参加してくださる皆さまが自らの学びに繋げていく。
全員の協力なしに、この規模のグローバルイベントは成立しないので、感謝に堪えません。ほんと、みんなありがとうね。
今年は私一人でのセッション登壇となりますが、今回はそれに先立ち、
2023年から2025年まで、3年間にわたって一緒にDirections Asiaのステージに立ち、
苦楽を共にしてきた中村亮太さんとの軌跡を少し振り返らせてください。
過去3年間(2023-2025)の振り返りと、中村亮太氏への感謝
私たち二人は、「世界で一番新しくて、セッションの参加者にとって納得感があり、サンプルコードを持ち帰って、
翌日から即使えるものをご提供したい」という強い思いで、この3年間、最新技術の実践的なデモにこだわってきました。
2023年|作る(Building)👈click
2023年は「Power Apps Live Coding Festival」と題して、「攻めのDX」と「守りのDX」を連携させるライブコーディングに挑みました。
ステージ上でQRコードの読み取りに手こずるハプニングもありましたが、中村さんが見事なリカバリーでのりきって、
ライブならではの熱狂を会場に届けることができました。
この年は、今は米国で働かれているCDataの疋田さん(Hikita)もセッションに飛び入り参加してくれました。
懐かしいな。その節は大変お世話になりました!
2023年は、タイ人の同僚が購入してくれたシンハービール(Singha Beer)、バンコクビール(Bannok Beer)、ランブータンの缶詰を題材に、
「開発をせずにローコードでどこまでやれるか?」というチャレンジを行いました。
ローコード、Power Platformを用いた実践的な業務アプリ構築のライブコーディングを2部構成で披露しました。

Part 1:棚卸アプリ開発の限界への挑戦
開発(コーディング)を行わず、いかにローコードソリューションだけで業務プロセスを乗り切るかが最大のテーマでした。
特に「Visual Studio Code + Virtual Table なしでどこまでやれるのか?」
という技術的な限界値へのチャレンジが組み込まれました。
タイのシンハービール(Singha Beer)、バンコクビール(Bannok Beer)、ランブータンの缶詰、ウーロン茶などの実際のアイテムを題材に、
棚卸(数量カウントと差異調整)を行うアプリをPower Appsで構築しました。
シンハービールのみロット番号管理を行ったり、在庫差異(数量不足や過剰)をシステムに反映し、
Microsoft Teamsでの承認プロセスを経て、Dynamics 365 Business Central(D365BC)の
棚卸仕訳帳(Physical Inventory Journal)に自動転記されるまでの一連のフローを実演しました。
Part 2:仕入先請求書からの仕入計上自動化
調達先(ベンダー)から受け取ったPDFの請求書を起点とし、
手入力を排除して仕入請求伝票の作成から転記処理までを自動化するフローの構築です。
AI Builderを利用して実際のPDF請求書からデータを読み取り、Power AppsとPower Automateを連携させて
D365BCに仕入請求データを作成するライブコーディングを行いました。
「なぜリソースマスタが取れないのか?」とステージ上でトラブルシューティングを行うリアルな場面もあり、
「QRコード読み取りがうまくいかない」実演で苦戦する場面もあり、
中村亮太氏と疋田氏、私の3名が互いの動きを察知し、阿吽の呼吸で臨機応変にリカバリーするという、
開発者コミュニティの経験値が高い我々ならではの強さと、ライブの醍醐味をお見せできたのではないかと思います。
セッションに参加してくれたコンサルタントや技術者が一生懸命に写真やメモを取るほど、
現場の実務に直結する学びの多いセッションとなりました。
2024年|使う(Using)👈click
2024年は「働き方改革(Workstyle Reforming)」をテーマに、デジタルマーケティングや複雑な見積計算にCopilotやChatGPTを組み込み、
生成AIを現場業務に組み込むデモを行いました。
お互いに超多忙な中、本番前日の深夜3時まで中村亮太さんと、ひぃひぃ言いながら、リハーサルを繰り返し、
最高のコンテンツを作り上げたことは、今でも鮮明に覚えています。
具体的な4つの業務プロセス(タイムマネジメント、デジタルマーケティング、見積・支払計画、サステナビリティ)に落とし込んだデモンストレーションをしました。
この内容は、日本マイクロソフト株式会社で開催したオートモーティブセミナーでもお披露目しました。

Part1:タイムマネジメント
Azure OpenAIを活用してERPからJson形式でデータを収集し、プロジェクト状況を瞬時に把握するデモを実施しました。
また、OutlookとTeamsのミーティング開始・終了時間データをDataverseに集約し、
ミーティングホストのタイムマネジメント傾向を可視化する仕組みも披露しました。
Part2:デジタルマーケティング
Dynamics 365 Customer Insights(旧Dynamics 365 Marketing)のCopilotとChatGPTを組み合わせ、
A/Bテストに使うDM(写真と説明文)を。自動生成するデモを行いました。
Part3:見積・金額計算・支払計画
複雑な計算ロジックをCRM/ERPに直接カスタマイズするのを避け、Power Appsのキャンバスアプリでコンフィグアプリを構築しました。
お客様と一緒に選択した車のカタログデータをChatGPTに渡し、請求金額や支払計画を即座に自動生成、
内容や金額の合意を得た後は、そのままDynamics 365(Sales/BC/FO)の受注伝票として連携し、二重入力を防ぐという中村氏のデモが行われました。
Part4:カーボンフットプリントの自動計算
Dynamics 365 Business Centralのサステナビリティ機能を使い、
代車利用(Scope 1)、購入電力(Scope 2)、出張・通勤・作業オーダーでのオイル消費(Scope 3)の排出量を計算しました。
新たな業務になるので、CRM(Field Service)やERP(BC/FO)、そしてExcelデータからデータを収集、人手不足への対応として、
Power Automate for desktop (RPA) を用いてデータ収集・記帳作業を全て自動化するという世界初の離れ業を披露しました。
2025年:委譲(Delegating)👈click
2025年は、「自分専用のAI秘書(Agent)を作ろう」というテーマで、プロジェクト管理におけるスケジュールの遅延対応や、
リソースの再割り当てをAIに任せるという、一歩先の「管制塔」の構築をご覧いただきました。
この時も中村亮太さんと深夜まで奮闘し、現場の摩擦を減らして「Do more with less」を実現する仕組みを一緒に提案しました。
プロジェクト管理において利益を左右する「地味だが毎日必ず発生する管理の要所(摩擦)」に焦点を当てました。
PMやコンサルタントが顧客への価値創出に集中できるよう、「集める・照合する・起票する・催促する・転記する」といった反復作業を
AI秘書に委譲する6つのペインシナリオ(Pain Scenario)が実演されました。

Part₋1/2:プロジェクトスケジュール変更
日本の製造業向け導入プロジェクトにおいて要件定義(Step 4)が1ヶ月遅延したというシナリオ。
結果、中村亮太氏と河内一輝男氏の「Directions Asia 2025登壇準備」という別タスクがバッティングし、リソースが逼迫します。
AIエージェントが各メンバーのタスク上限やカレンダーを瞬時に把握。
「4月は中村氏が登壇準備をする代わりに河内氏を50%割り当て、5月は河内氏に登壇準備と前倒しの夏休みを取らせ、Ryota氏らは夏休みなしで8月まで稼働する」
という具体的な計画変更案(Planning Lineの更新)をPMに提示し、遅延の連鎖を防ぐ運行管理を実演しました。
Part3:経費処理の自動化
形式がバラバラな領収書や出張経費の入力・承認による月末の停滞を防ぐため、SharePointに保存された証憑をAI Builderが読み取り、
Teams経由で承認依頼を出し、D365BCの一般仕訳帳へ自動起票・転記する仕組みを構築しました。紙運用からの脱却と内部統制の担保を両立させました。
Part4:仕入請求計上の自動化
外注費の計上遅れはプロジェクト原価の遅れに直結します。
Microsoft 365 Copilot(AIエージェント)が「発注書(PO)」「サービスレポート(SR・作業実績)」「仕入先請求書(Vendor Invoice)」の3点を自動で照合(三点照合)し、
D365BCへの仕入請求の起票と承認・計上を支援し、下請けベンダーの超過稼働や計上ミスを防ぎました。2023年よりも進化したことを説明しました。
Part5:売上請求計上の自動化
現場の作業報告(SR)の遅れは、請求遅延=キャッシュフローの悪化を招きます。
AIエージェントが発注・作業実績・経費の転記状況を監視し、「請求可能(Ready-to-Bill)」になったと判定した時点で、
売上請求伝票(Sales Invoice)の作成・承認・発行を自動駆動します。
データ不足があればAIが担当者に催促を行う「請求のバイパス」を実現しました。
Part6:月次粗利のリアルタイム分析
上記の経費・仕入・売上の各プロセス(転記済みイベント)をトリガーとして、AIが月次粗利(Gross Margin)を自動集計し、タイムリーにPMへ提示します。
粗利の可視化は「プロセス全体がどれだけ整流化されているか」の指標であり、現場チームがPower BIやMicrosoft 365 Copilotを利用して、
スピーディーに現在地を把握し次のアクションを起こせる「利益構造を支える管制塔」の完成形を示しました。

2026年の展望:次なる次元へ
2026年のホーチミンで私がお届けするセッションのタイトルは、『Beyond Buildable AI Agents: Let’s Visualize Partner Value in the AI Era』です。
2023年の「作る」から始まり、2024年の「使う」、2025年の「委ねる」という3年間の旅を経て、
AIエージェントが自律的に働くことが当たり前になる時代がすぐそこまで来ています。
だからこそ、今年のセッションでは「技術的な正解(Answers)」を提供するのではなく、
「AI時代において、私たち人間(パートナー)が創出できる本当の価値とは何か?」という問いに焦点を当てる予定です。
これまでの3年間で築き上げた技術的な土台(How)があるからこそ、
今年は「Why」と「What」を深掘りするステップへ進むことができます。
ベトナム・ホーチミンで、皆さんと一緒に「AI時代の私たちの価値」を見つめ直せることを心から楽しみにしています。
Directions Asia 2026で、ぜひお会いしましょう!

以上、室長でした。
