Dynamics 365 release wave1 plan_Finance

そろそろ午前3時になります。室長こと、吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications| Microsoft Regional Director) です。暖かい春の週末ですね。皆さまはどのような週末をお過ごしになられているのでしょうか。私は洗濯はしたのですが、掃除はGive Up、残務に追われる週末になっています。掃除しなきゃ駄目なんですけどね。。。

Dynamics 365 (CRM/ERP) 2025 wave1の新機能について、
- Dynamics 365 Business Central
- Dynamics 365 Sales
- Dynamics 365 Field Service
- Dynamics 365 Customer Insights-Journeys (旧Dynamics 365 Marketing)
- Dynamics 365 Customer Insights-Data
と追っかけてきましたが、投稿に予想以上のアクセスがあり、正直びっくりしています。
以前は、Dynamics 365 (CRM/ERP)のwave1/wave2をそれぞれ春/秋のアップデートなんて呼んでいた時もあったのですが、wave1は4月~9月にリリースになる(だろう)機能が含まれています。なので最近はwave1/wave2というのが通例ですね。
本稿では多くのご要望をいただいていましたDynamics 365 Financeを取り上げていきたいと思います。
それでは、一気にいきましょうかね。
≪Business Performance≫
Put planning into action using outlier detection
計画を立案する際に、外れ値を検出し、それを除外する機能がリリースされるようです。分析項目と分析用キューブを作成するCopilot・Power Automate・Dynamics 365 Financeを合わせて活用することで計画・実行/運用・分析のプロセス全体を可視化・自動化することができるのではないかと期待してしまいますね。計画立案のスピードを上げる事で、ファイナンス側のデジタルツインが出来上がるはずです。9月にプレビュー版がでるとのことなので少し先の話ですね。
Manage assets using the Acquire to Dispose data model
Acuire to Dispose (A2D)データモデルは資産の取得・減価償却・保守・評価・処分までの包括的な資産管理ビューを提供するものです。分析コードを活用した検証で資産の利用パタンを特定、メンテナンススケジュールを最適化することで投資戦略の強化、資産効率を高めコストの節約に繋がります。A2Dデータモデルを活用する事で財務体質を改善し、持続可能な成長と競争上の優位性を確保しようという流れです。4月からプレビュー版が公開され、7月に一般公開の予定です。
Start planning quickly with template solutions
クイックスタートテンプレートを活用する事で、数分でPoC環境を構築できるようです。ビジネスパフォーマンス計画データモデル(キューブ&分析コード)を別環境にエクスポート/インポートが可能となるようです。
Create dimensions and cubes using copilot in business performance planning
ビジネスパフォーマンスの計画時にCopilotをつかって分析コードとキューブを作成する事ができるようになります。
Refresh data frequently in Business performance analytics
6月にプレビュー版が公開予定で、一般公開は12月。2回/1日の更新がサポートされるようです。それでも少し少ない気がしますね。どうやら差分更新のロジックが入るようです。
Use managed extensibility of data models
Dynamics 365 Financeのデータから書き出されたビジネスパフォーマンス分析データモデルを拡張して、Fabric の追加データソースとしても活用しようという事ですね。とてもいいと思います。6月プレビュー版が公開、8月一般公開のようです。

Get support for multiple languages in Business performance analytics
データ、メタデータ、スキーマ、アプリインターフェイスの翻訳が提供されるようです。ローカル言語大事ですし、多国且つ多国籍でファイナンス業務をおこなっていれば猶更ですね。
Streamline Dynamics 365 finance and operations integration
ビジネスパフォーマンスの計画と分析が統合される事でこれまでの不便さはかなり改善されると思います。分析で作成された分析用のテーブルを計画で活用できるので、計画の意思決定がスムーズに行われるはずです。やっとデータ不整合、パフォーマンス等が改善されるはず。前稿で記載したラブ注入💘効果と同じような方向性ですね。AIを活用する為には必須ですね。7月にプレビュー版が公開されるので、いろいろと試してみたいと思います。Dynamics 365の内部にもこういう課題(バラバラ殺データ事件)がまだ残っているので、スピーディーに改善していってもらいたいものです。
≪Core Financials≫
Cancel customer payment journals from bank reconciliation worksheet
銀行勘定調整ワークシートから直接転記済みの顧客支払仕訳帳に関する取消処理ができるようになるようです。
Preview automatic bank reconciliation matching results
銀行勘定調整の照合結果をプレビューする機能が改善されるようです。

Generate one journal for multiple vendor payment lines
銀行勘定調整機能の拡張で、複数の仕入先支払明細を取りまとめる機能が実装されるようです。調整ワークシート単位・銀行勘定照合ルール単位・選択した明細単位でできるようなので、とりあえずやっと揃ったという感じですね。

Speed up bank reconciliation with duplicate matching rules
照合の為のルールを複製する機能の登場です。銀行照合のシナリオに合わせて個別の照合プロセスを確立しやすくなるはずです。
Further bank reconciliation report enhancements
照合の為の帳票自体の改善です。取引先・取引先名・タイプに関する詳細情報の追記、仕訳帳とその摘要が含まれるようです。
Improve bank account lifecycle management
銀行口座の開設・閉鎖・変更・署名管理・監査に対応するために機能拡張が行われました。承認ワークフローやマスタの変更承認・変更履歴管理・追加署名者のマスタ管理などができるようになります。

Create new ledger account-only journals using new journal framework
グローバル且つ複数法人の管理をする場合に、登録や取消処理が非常に不便だった領域に、新たな仕訳帳のフレームワークを実装するというものです。正直、これができないとエンタープライズ企業では利用できないと個人的には思っています。

7月にプレビュー版公開、9月に一般公開になるようです。
Expand the use of financial tags
分析コードではない、別のタグをつけることで会計元帳の照会・検索時に利活用するというものです。ビジネスパフォーマンス分析のレコードからレポートのデータモデルにタグを追加して、分析用の軸として利活用することも考えているようです。
Enable financial tags for purchase order invoicing
本タグ機能により、発注書番号・仕入先名で仕入先の補助元帳データを追跡することができるようになります。
金額または%で固定資産を分割する事ができる機能の登場です。為替や通貨の課題は根深いので、7月にプレビュー版が公開されるので、本腰入れてテストしないといけない領域です。
Transfer fixed assets between legal entities
会社間における固定資産の振替機能がリリースされるようです。上述同様、テスト必須です。
Use agents for recommended actions on Account reconciliation agent workspace
総勘定元帳と補助簿の不一致は会計担当者の月次決算のスピードを落とす非常に悩ましい課題(直接転記、マスタ不備等に起因する)の一つです。Copilotが訂正・調整方法を提案するのか、これはとても面白い。デモ映えしそう。

Optimize user security configurations and licensing costs
ユーザーセキュリティガバナンスは、ロールの管理、ライセンスの監査、監査証跡、バージョン管理のための便利なツールをシステム管理者に提供する高度な機能で、ライセンスの使用状況や職務分離に関する規定違反等を発見するためのレポート等がサポートされているようです。つまりは、ソフトウェアへの投資最適化、コンプライアンスの確保、堅牢なセキュリティと内部統制を維持を考慮した新たな拡張と言えるでしょう。
View cross-company transactional data using accounting source explorer
現在データの抽出は1社あたりという制限があるため、全社のデータを抽出するためには法人を切り替える作業が必要です。今回のリリースでは、選択した会社の取引データを簡単にエクスポートできるようになります。一方で、権限設定がより重要且つセンシティブになりそうな気もします。
≪Globalization Studio≫
Use electronic invoicing in Colombia
コロンビアにおけるE-Invoice対応
Expand localization in LATAM countries for Dominican Republic
ドミニカ共和国のローカライズ対応
Expand localization in LATAM countries for Peru
ペルーのローカライズ対応
Expand localization in LATAM countries for Venezuela
ベネズエラのローカライズ対応
Comply with e-invoicing requirements in Poland
ポーランドのE-Invoice対応
Update to OIOUBL format 3.0 for electronic invoicing in Denmark
デンマークのE-Invoice(OIOUBL format 3.0)対応
Convert Excel documents to PDF format
ExcelをPDFに変換する機能
Expand country coverage to Türkiye
トルコ共和国のローカライズ対応
Experience updates to Interfactura API for e-invoicing in Mexico
メキシコのE-Invoice用Interfactura API改善
Access electronic invoicing phased rollout in Belgium
ベルギーにおけるE-Invoice対応
Use the enhanced Poland JPK KR PD annual regulatory report
ポーランドのJPK KR PD年度法規レポート対応
Extend support for multiple tax registration numbers in tax reporting
Taxレポートの複数税金登録番号に関する拡張
Use the security enhancements in UK MTD VAT integration
イギリスのMTD VAT連携に関するセキュリティー拡張
Automate tax feature creation based on tax master data
Taxのマスタ(現在の法人の税コード、売上税グループ、および品目売上税グループ)に基づいた自動計算・生成機能
Use extensible universal connector for E-Invoicing service
ユニバーサルデータコネクタを活用した請求プラットフォームとの統合
最後にデータ照合処理エージェントを活用した業務効率化に関するハイライトを映像で見ておきましょう。
ざっと振り返ると、AIの利活用を促進するためにビジネスパフォーマンス領域の仕組みに結構手が入った印象です。財務領域のデジタルツインを見据えた準備が着々と進んでいます。会計領域では、銀行勘定調整・固定資産のところに大きな改善が集中。一番大きな改善は仕訳帳のフレームワーク自体を改善し、エンタープライズ企業のグローバルニーズに応えようと努力したというところでしょうかね。ローカライズはラテンアメリカへの新たな展開がいくつかみられました。いずれにしても、しっかりテストされたものがリリースされるといいですね!
という事で、今回はこのくらいで。Let’s Enjoy our DCX365Life!
