Dynamics 365 release wave1 plan_SCM

こんにちは。室長こと、吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications| Microsoft Regional Director) です。東京は暖かい春の週末になっています。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。花粉、大丈夫?
Tenki.jpによると、東京では土日に天気が崩れてしまう予想ではあるものの、金曜日までは暖かい日々が続きそうです。

となると、🌸桜🌸が気になりますよね。東京はいよいよ来週という感じです。東北や北海道では通年よりは早いけど、昨年度よりは遅いといったところでしょうか。いつもより早いのは、温暖化の影響もあるのかもしれませんね。

さて、一般的には4月は桜や入学式のイメージになるのでしょうが、私個人的にはDynamics 365 (CRM/ERP) ・Power Platformのwave1が咲き始め、新卒で入社された方々が新たにマイクロソフトのビジネスアプリケーションに関わり始める。そんな時期だと感じています。どんな蕾が開いていくのか?一緒に見ていきましょう。

これまでDynamics 365 (CRM/ERP) 2025 wave1の新機能について、👇のように纏めてきました。反響が大きく、嬉しく思っています。
- Dynamics 365 Business Central
- Dynamics 365 Sales
- Dynamics 365 Field Service
- Dynamics 365 Customer Insights-Journeys (旧Dynamics 365 Marketing)
- Dynamics 365 Customer Insights-Data
- Dynamics 365 Finance
ということで、本稿ではDynamics 365 Supply Chain Managementについてアップデート情報を見ていきたいと思います。
その前にちょっとだけ。Dynamics 365 のアプリラインアップには中小企業向けのERPにはDynamics 365 Business Central があります。エンタープライズ企業向けのERPには、Dynamics 365 Finance & Operations (まだ、こう呼ばれている方々もいらっしゃいます。FOとかね。)ライセンスの関係があって⁈、Dynamics 365 FinanceとDynamics 365 SCMという分類になっています。なので、エンタープライズ企業向けERPのSCM領域だとご理解ください。
Dynamics 365 Supply Chain Management は、製造業、販売業、小売業がサプライチェーンの要件を満たすために必要なエンドツーエンドのプロセスに対応する包括的な機能を提供しています。カバレージとしては、製品情報管理、予測、計画、在庫、販売、調達/購買、製造、資産管理、倉庫管理、輸送管理、原価計算にまで及びます。
≪Copilot and AI Innovation≫
自然言語クエリをCopilotが理解して、アプリの操作方法・データの検索等のサポートを会話型で提供してくれます。
正直、マスタ作成や伝票の起票等のオペレーションはやりたくないので、次のレベルが見えてきた事がとても大きな進化だと思っています。
ベンダー(調達業者)とのやり取りをなるべく手間をかけず対応する仕組みの拡張機能です。


≪Inventory and Logistics≫
リベート計算・転記プロファイル(仕訳を事前に定義する設定)・請求書へのデータ収集ロジック等がベンダーのリベート管理のために拡張されました。既にプレビュー版が公開されていて、4月から一般公開になります。
シリアル番号・バッチ番号(ロット)・資産・ロットに紐づく属性/測定値に関するデータを追跡することが容易になります。

オートモティブ業界では、車両に利用されている部品がリコールになってしまったような場合に、該当する車両モデルを特定するなどのシナリオで利便性が向上しそうです。
≪Manufacturing and Asset Management≫
今回のリリースの目玉の一つ品質管理領域の拡張です。AQL(合格限界水準)・COA(分析証明書)・CAPA(予防措置)等の対応ができるようです。以前だとPower Appsでロジック含めて開発する必要があったので、今後はデータ登録のUI/UXだけをPower Appsで対応となるかもしれませんね。


≪Planning≫
計画エンジン(Planning Optimization)に、リーン製造・キャッチウェイト(不定貫)価格設定/測定システム、プロセス製造にステップ消費(生産量の非線形消費率に基づいた材料消費)を考慮できるようになりました。不確実性の高い時代において、俊敏で応答性の高い仕組みの実装は非常に重要なので、とてもありがたい機能だと思います。7月にプレビュー版が公開されるので、秋頃はここが熱くなりそうです。
今回のリリースの一番大きな目玉と言えば、ここになるでしょう。学生時代の専門が多変量解析だったのでこの領域の拡張はとても嬉しいです。
データとシグナルを活用、需要計画・予測の精度を上げていきましょうという機能群です。品揃計画(製品・顧客・チャネル等の分析項目に割当)・凍結時間(予測を更新しない時間の確保)・シグナル予測(Prophet予測のアルゴリズム・XGBoost予測アルゴリズム・ディメンションの組み合わせ事にProphetとXGBoostの結果を計算)・季節性等を考慮できるように進化しています。こちらはいよいよ4月から一般公開になるので、ユーザー側で利用が進んでいくと思います。






≪Procurement≫
CLM(契約ライフサイクル管理)は調達から支払までの一連のプロセスにける重要なポイントです。今回のリリースでは、Dynamics 365 SCMのマスタデータを活用し、外部のCLMシステムと連携できるプラットフォーム(CLM統合フレームワーク)が利用可能になります。昨年度の秋からプレビュー版が公開されていて、いよいよ来月から一般公開が始まります。契約の作成・オーサリング・レッドライン・交渉・署名・修正・終了・停止/解約などが外部の仕組みとシームレスに連動する事で調達管理(購入契約・機密保持契約等)がより良いものになると思います。
Dynamics 365 Supply Chain Managementの新機能は、サプライヤー関係の管理とコラボレーションの改善を目的としています。新しいサプライヤーポータル(Power Pages)を通じて、サプライヤーのオンボーディングや取引(RFQ、購入注文、請求書など)を効率化し、ダッシュボードでサプライヤーのパフォーマンスを追跡し、予定を管理することができるので、効率的なサプライヤー管理の実現に向けて利用していきましょう。
いろいろと有益な新機能がリリースされていきますが、最後に👆の要点を整理しておきましょう。
- 生成AIを活用した需要予測の精度向上
- 在庫の可視性と回復力を向上
- 品質管理のための最適化されたテスト戦略やデジタル記録を活用した計画データの精度向上
- リーン製造、キャッチウェイト、ステップ消費を統合し、材料使用管理を改善
- 再調整/提出のワークフローを含むリベート管理、外部CLMシステムとの統合で効率的なサプライヤー契約管理
ERP導入の第一弾は結果の可視化と内部統制の向上、第二弾は実績データを活用した計画の精度向上、第三弾がデジタルツインで計画と実績の乖離からアクションをタイムリーに修正していく事です。第二弾と第三弾に繋がる非常に重要な領域なので、Dynamics 365 SCMユーザー様はここに全力投球しましょう!
という事で、今日はこのくらいで。Let’s Enjoy our DX365Life!
