Best of Microsoft Recap Days Japanセッション参加メモ

こんばんは! 室長こと、吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications| Microsoft Regional Director) です。皆さま、お元気ですか?あっという間に12月中旬。いよいよ今年も終わりですね。12月27日(土曜日)~1月4日(日曜日)の9日間が年末年始の休暇という感じでしょうか。お忙しい皆さまにとって、一年間の疲れを癒せる時間になるといいですよね。
さて早速ですが、本稿は以下のようなタイトルでお届けしたいと思います!
Best of Microsoft Recap Days Japanのごく一部を振り返るw
2025年12月、Microsoftが3日間開催したオンラインイベント 「Best of Microsoft Recap Days Japan」 は、Ignite 2025で発表された最新情報を日本のユーザーに届ける場として注目を集めました。クラウド、AI、セキュリティ、そして業務変革のためのプラットフォームに関する多彩なセッションが並ぶ中、Day 3 は「Power Platform」と「Copilot」に焦点を当て、企業のDXを加速させる具体的なヒントが満載でした。(Day1とDay2は大切なミーティングと重なり参加することが叶いませんでした涙)
イベント全体を通して強く感じたのは、「AIが特別なものではなく、当たり前になる時代」が本格的に始まったということ。これまでIT部門だけが担っていたアプリ開発や業務自動化が、現場の担当者でも自然言語でできるようになり、AIエージェントが日常業務をサポートする未来が、もう“遠い話”ではなくなっています。「AIを使う」から「AIと一緒に仕事をする」へ―その変化を肌で感じるイベントでした。
【Cloud &AI Platform】【AI Business Solutions & Security】という2つのトラック構成になっていました。

ここでは、Day 3で行われた2つのセッション
- BMRJ 3B-2:「Power Platform 最新アップデートとAI活用の最前線」
- BMRJ 3B-3:「Copilot Studio Ignite 2025 最新アップデートのご紹介」
を取り上げ、単なるイベントレポートにとどまらず、実務にどう活かせるかという視点で深掘りしていきます。Power Platformの進化とCopilot Studioの新機能は、ローコード開発やAIエージェント活用を次のステージへと押し上げるものです。では、どのような変化が起きているのでしょうか?そして、企業のDX推進にどんなインパクトを与えるのでしょうか?
【Power Platform 最新アップデートとAI活用の最前線】|サマリー
このセッションで強調されていたのは、Power Platformが「ローコード+AI」という新しい軸で進化し続けているという点です。特にCopilotの標準化は大きな変化で、これまで専門知識が必要だったアプリ開発や業務フローの構築が、自然言語で指示するだけで実現できるようになりました。現場の担当者が「こういうアプリが欲しい」と入力すれば、UIやデータモデルの提案まで自動で行われる――そんな未来が、もう現実になりつつあります。
Power Appsでは、Copilotによるアプリ生成の精度がさらに向上し、UIカスタマイズも簡単になったことで、現場主導の開発が加速しています。Power Automateでは、AIがフロー作成を提案する機能が強化され、エラー処理や条件分岐の自動化によって運用負荷が大幅に軽減されます。さらにPower BIでは、自然言語でレポートを作成できるCopilot機能が進化し、AIインサイトによる予測分析がより簡単になりました。データ基盤となるDataverseもセキュリティとガバナンスが強化され、企業利用における安心感が高まっています。
AI活用の最前線として注目すべきは、CopilotとAI Builderの進化です。Copilotはアプリやフローの生成だけでなく、業務の文脈を理解し、最適な提案を行うレベルに達しています。一方、AI Builderは画像認識や予測モデルの精度が向上し、ノーコードでAIモデルを業務に組み込めるようになりました。例えば、営業レポートの自動生成や顧客対応チャットボットの強化など、具体的なユースケースが次々と現場で実現されています。
こうした進化は、企業のDX推進に大きなインパクトを与えます。開発スピードは劇的に向上し、IT部門と業務部門の協働が容易になることで、現場の課題解決が迅速に進みます。ただし、導入にあたってはセキュリティやガバナンスの整備、AIモデルの精度検証といったポイントを押さえる必要があります。
では、次に何をすべきでしょうか?まずはCopilotを使って簡単なアプリを作ってみること、そしてAI Builderで業務データを活用することが第一歩です。Microsoft Learnや2025年リリースプランの資料を参考にしながら、PoCを進めることで、AIとローコードの力を実感できるはずです。
【Power Platform 最新アップデートとAI活用の最前線】|スクリーンショット
以下、セッション内で取得したスクリーンショットを備忘録としておいておきますね。




ギークフジワラ氏、要点をうまく伝えていらっしゃるし、時間の使い方がめちゃくちゃ旨い!流石っすね。
【Copilot Studio Ignite 2025 最新アップデート】|サマリー
本セッションで印象的だったのは、Copilot Studioが単なる「チャットボット開発ツール」から、AIエージェント開発の中核プラットフォームへと進化していることです。Ignite 2025で発表された最新アップデートでは、Copilot Studioがより直感的なUIを備え、複雑な業務プロセスを支援するエージェントを簡単に構築できるようになりました。
従来のCopilotは、ユーザーの質問に答える「対話型AI」としての役割が中心でした。しかし今回のアップデートでは、業務シナリオに合わせてエージェントを設計し、外部システムやAPIと連携させることで、「業務を実行するAI」へと進化しています。例えば、顧客対応だけでなく、在庫確認や注文処理、さらには社内の承認フローまで、Copilot Studioで構築したエージェントが自動化できるようになっています。さらに、開発者や業務担当者が使いやすいテンプレートが追加され、自然言語でエージェントの動作を定義できる機能も強化されました。これにより、専門的なコードスキルがなくても、複雑な業務ロジックをAIに組み込むことが可能になります。セキュリティやガバナンス面でも、ログ管理や権限設定がより細かく制御できるようになり、企業利用における安心感が高まっています。
この進化は、企業のDXにとって非常に大きな意味を持ちます。Copilot Studioを活用すれば、単なる「問い合わせ対応」から一歩進んで、業務プロセス全体をAIエージェントに任せる未来が現実になります。導入の第一歩としては、既存のチャットボットをCopilot Studioに移行し、API連携を試すこと。そして、段階的に業務フローを自動化するロードマップを描くことが重要だと感じました。
【Copilot Studio Ignite 2025 最新アップデート】|スクリーンショット
以下、セッション内で取得したスクリーンショットを備忘録としておいておきますね。




増田氏のお話は包括的でとてもいいコンテンツだったと思います。
では最後に、得られたインプットをもとに、実務用にアウトプットしていきましょう!
Power Platform × Copilot Studioで「作る・動かす・守る」を同時に前進
正直、今回のDay3は“未来の話”ではなく“今すぐ動ける話”でした。Power PlatformとCopilot Studio、この二つの進化が示しているのは、「AIが特別なものではなく、当たり前になる時代」です。現場の担当者が自然言語でアプリを作り、AIエージェントが業務を実行する――そんなシナリオが、もうPoCレベルではなく、実務に落とせるフェーズに来ています。誇張ではありません。現場で実証済みです。
印象的だったのは、Power Platformのデモ。要件を入力すると、データモデル→ページ群→画面スタイルまで自動生成され、機械保守アプリのような複雑な業務でも、UI、カレンダー、カンバン、フロアマップまで一気に形になる。裏側では要件エージェント/データエージェント/コードエージェント/ソリューションエージェントが分担し、要件の分解からコード生成、ページ構築までオーケストレーションしている。これは、現場でよくある「要件定義に時間を取られ、開発が遅れる」問題を根本から崩す仕組みです。
一方、Copilot Studioは「会話AI」から一歩進み、MCP(Model Context Protocol)やComputer Use、エージェントフロー(決定論的ワークフロー+AI承認・追加情報要求)を備え、“動くAI”を作るための土台を整えています。さらに、DataverseやMicrosoft Purviewによる監査ログ、Defender連携によるランタイム保護、エージェント健康状態モニタリングまで、運用の“見える化”が進化しているのもポイントです。
コラム1|現場でよくある失敗談(室長が現場で見てきた“あるある”)
テクノロジーの進化は素晴らしい。ただし、導入の所作を間違えると“速さ”が“粗さ”に化ける。ここは幾度となく痛い目を見たからこそ、断言できます。
- 失敗談1⃣:生成したアプリを「そのまま」本番投入
PoCでCopilotが組み立てたアプリが想像以上に動く——ここまでは良いのですが、「現場レビュー」を挟まずに本番へ持っていくと、例外処理と権限設計が噴出します。機械保守の現場では、オフライン入力の同期衝突や、バーコード/QRの読み取り精度のチューニングが未完のまま運用入りして混乱したケースがありました。
室長の一言:“速さの中に、ひと呼吸”。1週間スプリントでレビュー→再生成→微修正を必ず回す。生成物は完成品ではなくテンプレです。
- 失敗談2⃣:AIに「丸投げ」して承認基準が曖昧
Copilot Studioのエージェントフローで承認を自動化したが、HITL(Human‑in‑the‑Loop)ポイントが未設計。結果、低リスク申請とグレー案件の線引きが曖昧で、後追いの人手修正が増えました。さらに、Defenderがツール呼び出しをブロックする事象(疑わしい送信アクション)も発生。
室長の一言:“ルールなき自動化は、手戻りを自動化する”。AI承認の閾値と人の介在点を先に決める。“自動”と“要確認”の境界は文字で書く。
- 失敗談3⃣:接続が増殖して、誰も全体を把握していない
便利だからとMCP接続やコネクタを個別に足していくと、“誰が・何を・どこで”が見えなくなります。トラブル時に根っこに辿り着くのに時間がかかり、改善サイクルが鈍化。
室長の一言:“可視化は最大のセキュリティ”。インベントリ(棚卸し)と利用レポートを“最初からオン”。15分内更新の棚卸しが運用の安心を作ります。
コラム2|室長のおすすめTips(“今すぐ効く”導入の所作)
道具の使い方に“流儀”を。半歩だけ先回りする所作が、DXの速度と品質を両立します。
- Tip 1⃣|要件テンプレは“5行ルール”
目的/ロール/主要エンティティ/必須フロー/例外の5行で要件を渡す。長文はCopilotの“迷い”になります。短く、芯だけにするのがコツ。
- Tip 2⃣|90分レビュー会を“儀式化”
生成→レビュー→再生成の90分定例を週1で。現場リーダーの口語で修正指示を出してもらい、その場でCopilotに反映すること。
- Tip 3⃣|HITL設計は“先に書く”
人が承認する場面/AIが自動承認する閾値/追加情報要求の条件をWordやExcel、Wiki、ポリシードキュメントなどで自然言語で明記すること。後付けより先付けが安全です!
- Tip 4⃣|テストセットで“見える品質”
Copilot Studioのテストセットに、想定QAやポリシー質問を10ケース入れて、合格ライン(例:80点)を決める。品質は気合いではなく点数!
- Tip 5⃣|Defender/Purviewは“初日からオン”
ランタイム保護と監査ログをPoCの初日から有効化。“あとで付ける”は、だいたい手戻り!
- Tip 6⃣|KPIは“現場OKRに紐づけ”
自動処理率、承認リードタイム、利用率の3KPIを、現場のOKRに直結。“数字が現場の言葉になる”と文化をトランスフォームしやすくなる!
コラム3|現場からの声(リアルな手応えと悩み)
数字も大事。でも、声の湿度がプロジェクトの温度を決めます。以下、実務の現場から届いた生の実感です。
- Voice1⃣「要件を5行に絞っただけで、Copilotの提案が“ピン”で刺さるようになった」by 製造現場リーダー
- Voice2⃣「メール起点のルーチンが“勝手に片付く”。ただし、“要確認ライン”があるから怖くない」 by 経理チーム
- Voice3⃣「インベントリの15分更新で“誰が何を作ったか”が見える。棚卸しは“安心の源泉”」by IT CoE
- Voiec4⃣「MCP接続をテンプレで標準化。新しい連携は“申請→レビュー→登録”の小さなゲートで事故ゼロ」by 調達・IT連携担当
コラム4|スモールWINの作り方(“3日で効く”導入シナリオ)
最初の3日で手応えを作る。DXは“最初の勝ち”が次の資源(リソース)を連れてきます。
- Day 1⃣|メール→Dataverseの“ひと筋”を作る
Copilot Studioでメール受信トリガー→必要項目抽出→Dataverseに仮書き(HITLで確定)。Defender/Purviewを同時にオン!
- Day 2⃣|Power Appsで“現場画面”を形にする
保守用のカンバンとカレンダーを生成。検索/フィルターを現場の言葉で磨く。30分レビュー会を実施。
- Day 3⃣|HITLと閾値を“文字にする”
AI承認の条件、要確認の条件、追加情報要求の条件を“文書化”。テストセットで10ケース採点、基準に満たなければ再学習。
“作る”は速く、“動かす”は確かに、“守る”は最初から。この三位一体の所作さえ守れば、Power Platform × Copilot Studioは「今すぐ届くDX」になります。現場の声に耳を澄ませ、半歩先回りの儀式を積み重ねていくといいように思います。
DXは“所作”で決まる|速さと確かさを生む現場文化
DXは、技術の話に見えて、実は“所作”の話です。2つのセッションを視聴して、私が強く感じたのは、Power PlatformとCopilot Studioが、「速さと確かさを両立できる時代」を本当に現場に届けられるということ。
でも、ここで忘れてはいけないのは、速さは価値、粗さはリスクという現場の現実です。だからこそ、半歩先回りの設計と儀式化されたレビューが、DXの成功率を決めます。要件は5行で、HITLは先に書き、DefenderとPurviewは初日からオン。これらは単なるTipsではなく、現場を守るための“文化の種”です。
私が何度も見てきた失敗は、「技術はあるのに、所作がない」ケース。逆に、所作を整えた現場は、驚くほど早く成果を出します。だから、次にやるべきことはシンプルです。小さな勝ちを3日で作ること。メール起点の自動化、現場画面の生成、承認ポリシーの明文化。この3つを回せば、DXは「机上の計画」から「現場の実感」に変わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 DXは遠い未来ではなく、今日の所作から始まります。 その第一歩を、あなたの現場で踏み出してください。そして、必ず“速さの中に、ひと呼吸”を。 Let’s Enjoy our DX365 Life!
