Dynamics365 2025 wave2_CustomerInsights_Data

こんばんは。室長こと、吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications| Microsoft Regional Director) です。今、24時を回ったところです。今日はハッピーに食事をする時間がとれました。とても良き。明日から週末、あ、今日から週末ですね。今週も業務で色々とあったので、少し頭を整理する時間に使えたらと思っています。
実は先週の深夜は実機をなるべく触って、今週の深夜を使って【Dynamics 365 2025 wave2に関する個人的な見解を含む室長纏め】に取り掛かりました。9月頭に某勉強会でお話をする機会を頂戴しているので、全容はそちらで情報共有をさせていただきます!

ということで本稿では、Dynamics 365 Customer Insights-Dataについて、Microsoft Learnの公開情報をもとに室長の理解で解説していきたいと思います。最後までお付き合いいただけますと幸いです。Customer Insights-Dataと聞くと、とてもわかりにくので、マイクロソフトのCDP(Customer Data Platform/顧客統合プラットフォーム)と一旦考えてください。このBlogを読み終わる頃には単なるCDPではない事に気付かれると思います。
D365 Customer Insights-Dataよ、君はどこに向かっているのかい?
2025 wave2では、『Copilotや自律型エージェントとの連携』『リアルタイム分析』『広告プラットフォームとの統合』など、マーケティング・営業・サービスの現場で即戦力となる機能が多数追加予定です。結果として、顧客に関する理解度と顧客とのエンゲージメントの質を大きく向上できるのではないかと期待しています。何故室長がそのように感じているかについては、これから解説する内容を読んでいただけると、きっとご理解いただけるのではないかと思っています。
Customer Insights | Dataで“顧客理解”を深掘りせよ!
≪Copilot and Agents≫
顧客に寄り添うAIへ

CopilotチャットをCustomer Insights – Dataと連携させると、顧客の属性・行動履歴・購買傾向などに基づいた“文脈ある回答”が可能になります。たとえば、営業担当が「この顧客に次に提案すべき製品は?」とCopilotに尋ねると、過去の購入履歴や関心データをもとに、最適な製品を即座に提案してくれます。これにより、単なるFAQ対応ではなく、顧客に寄り添った会話が実現されます。
ただし懸念点としては、顧客データの正確性と更新頻度がチャットの品質に直結するため、データ管理体制の強化が不可欠です。誤ったデータに基づく提案は、信頼を損なうリスクがあります。また、個人情報を活用する以上、プライバシー保護や法令遵守(例:GDPR、個人情報保護法)への対応も重要であり、チャットの内容がどこまでパーソナライズされるかについては、顧客への説明と同意が必要になる場面もあるでしょうね。
自律エージェント(チャットボットや自動応答AI)がCustomer Insights – Dataをナレッジソースとして活用することで、対応の精度が飛躍的に向上します。顧客の過去の問い合わせ履歴や購買行動を踏まえた対応が可能になり、たとえば「この顧客は過去に返品経験があるので、丁寧なフォローが必要」といった判断が自動で行われます。結果として、“人間らしい”対応ができるAIへと進化します。
ただし懸念点としては、AIが参照する顧客データの質と整合性が対応の精度に直結するため、データの収集・統合・更新プロセスを厳密に管理する必要があります。誤ったデータに基づく対応は、かえって顧客の不信感を招くリスクがあります。また、個人情報を活用する以上、プライバシー保護や法令遵守(例:GDPR、個人情報保護法)への対応も不可欠であり、AIがどこまで顧客情報を活用するかについては、透明性のある設計と説明が求められることかなぁ。
この連携は、営業・サービス・マーケティングの現場で、顧客満足度と業務効率の両立を可能にする重要な鍵となると室長は考えています。ここは時間を使ってでも、いいデモデータを仕込みたいですね。重要なポイントかと。
≪Faster time to insights≫
Fabric連携で加速する!Customer Insightsが描く“次世代データ活用”のTo-Be
『よりはやくインサイトを獲得する』と訳すのでしょうかね。確かに、データから価値あるインサイトを得るまでの時間を短縮する事は、現代のビジネスにおいて競争力を左右する重要な要素です。2025 Wave 2で進化したDynamics 365 Customer Insights – Dataは、この課題に対して、Microsoft Fabricとの連携を強化することで、よりスピーディかつ柔軟なデータ活用を可能にするようです。
ソースデータのフィルタリング機能の強化について。これにより、不要なデータを事前に除外し、処理対象を絞り込むことで、分析の精度とスピードが向上します。


従来のように大量のデータを一括で取り込んでからデータ整形するのではなく、必要な情報だけを効率的に抽出できるようになった点は大きなメリットだと言えるでしょう。たとえば、特定の地域・期間・顧客属性に絞ったデータ抽出が容易になり、マーケティング施策や営業戦略の立案にも役立ちます。
ただし懸念点としては、フィルタ条件の設定ミスによって、本来必要なデータまで除外してしまうリスクがある点です。特に、複雑な条件を組み合わせる場合には、フィルタロジックの検証が不可欠です。また、フィルタリングによってデータの偏りが生じる可能性もあるため、分析結果の解釈には注意が必要です。運用にあたっては、フィルタ条件の履歴管理や、元データとの比較検証を行える仕組みを整備しておくことが望ましいでしょうね。
Microsoft OneLakeをデータソースとして直接利用できるようになったことで、Fabric環境とのシームレスな連携が実現します。

OneLakeは、Microsoft Fabricの統合データレイクであり、部門やアプリケーションをまたいだデータの一元管理が可能になりますね。Customer Insights – DataがこのOneLakeとネイティブ連携したことで、データの取得・更新・分析がよりスムーズになり、リアルタイム性の高いインサイトが得られるようになるので、個人的に非常に重要な拡張だと考えています。
これまでCustomer Insightsや他の分析ツールでデータを活用する際には、OneLakeに格納されたデータを直接参照することが難しく、別途データのコピーや移動、変換処理が必要になるケースが多くありました。その結果、データの鮮度が落ちたり、処理の冗長性が生じたりするなど、分析業務のスピードと効率に課題がありました。今回、Microsoft OneLakeをデータソースとして直接利用できるようになったことで、Fabric環境とのシームレスな連携が実現し、データの一元管理とリアルタイム活用が可能になります。これにより、Customer InsightsやPower BIなどのツールから、OneLake上の最新データを即座に参照・分析できるようになり、データ活用のスピードと精度が大幅に向上します。特に、複数部門で同じデータを共有しながら異なる視点で分析するようなユースケースでは、データの整合性と再利用性が高まり、組織全体の意思決定力を強化する効果が期待できるでしょうね。
ただ、懸念点として、OneLakeに格納されるデータのアクセス権限やガバナンスの設計が不十分な場合、意図しないデータの露出や誤用が発生するリスクがあります。特に、複数のアプリケーションやユーザーが同時にアクセスする環境では、データのバージョン管理や利用履歴の追跡が重要になりますよね。また、OneLakeの構造やデータ形式に対する理解が浅いまま運用を始めると、パフォーマンスやクエリ精度に影響を与える可能性もあるため、導入前のトレーニングや設計レビューが必須となるでしょうね。プロジェクト関係者各位、要注意です。
データの保存形式としてDelta Lakeフォーマットを採用することで、インサイト獲得までの時間がさらに短縮されます。

Delta Lakeは、ACIDトランザクションをサポートする高性能なストレージフォーマットであり、大規模データの処理において信頼性とスピードを担保することができます。これにより、Customer Insights – Dataは、より高速かつ正確な分析基盤としての役割が強化されていくはずです。
Fabric OneLake上で統合された顧客プロファイルやインサイトに直接アクセスできるようになった点も見逃せませんよね。今回の拡張で、マーケティング、営業、サービスなどの部門が、『共通の顧客理解』に基づいてアクションを起こすことが可能です。分断されたデータではなく、統合された「顧客の全体像」に基づいた意思決定ができるようになることで、顧客体験の質が大きく向上していくと考えています。
今回、Fabric OneLake上で統合された顧客プロファイルやインサイトに直接アクセスできるようになったことで、部門を超えた「共通の顧客理解」に基づいたアクションが可能になりました。OneLakeの統合データ基盤により、リアルタイムかつ一貫性のある顧客情報を活用できるようになり、たとえば営業が過去の購買履歴をもとに提案を行い、マーケティングが関心領域に応じたキャンペーンを展開し、サービス部門が適切なフォローアップを行うといった、部門横断の連携がスムーズに進みます。結果として、顧客体験の質が大きく向上し、企業全体としての信頼性と競争力が高まることが期待されます。
懸念点としては、統合されたデータに対するアクセス権限の管理が不十分な場合、情報漏洩や誤用のリスクが高まる可能性があります。特に、複数部門が同じデータにアクセスする環境では、誰がどの情報にアクセスできるかを明確に定義し、ガバナンスを徹底する必要があります。また、統合されたプロファイルが常に最新であることを保証するためには、データ更新の頻度や品質管理にも注意が必要です。さらに、部門ごとに異なるKPIや視点でデータを解釈する場合、共通理解を維持するための教育や運用ルールの整備も重要になります。
前提的には、単なるデータ分析ツールではなく、Fabricとの連携を通じて、企業全体のデータ活用を加速させる「インサイトエンジン」へと進化しています。そのうち、こうした機能がどのように現場で活用されているのか、具体的なユースケースも交え、ここでご紹介していきたいと思います。
≪Personalized Customer Experiences≫
マーケティングの勘と経験を、データが超えていく ― Dynamics 365の挑戦
顧客体験の質を高めるためには、単にデータを集めるだけでは不十分です。重要なのは、そのデータをどう活用し、どのタイミングで、どのチャネルに届けるか。2025 Wave 2で進化したDynamics 365 Customer Insights – Dataは、まさにこの課題に対して、マーケティングと広告の現場で即戦力となる機能を提供しています。
これまでCustomer Insightsで構築したターゲットセグメントを外部の広告・マーケティングプラットフォームに活用するには、CSVなどでの手動エクスポートや、API連携の設定が必要で、マーケティング担当者にとっては技術的なハードルが高く、キャンペーンの立ち上げまでに時間がかかるという課題がありました。分析と実行の間に“壁”が存在していたことで、タイムリーな施策展開が難しい状況も多く見られました。今回の機能拡張により、Customer Insightsでセグメント化されたオーディエンスやインサイトを、Meta Ads、Google Ads、LinkedIn Campaignsなどの広告・マーケティングテクノロジープラットフォームへ直接エクスポートできるようになりました。つまり、分析結果を即座に施策へと反映できるようになり、キャンペーンの立ち上げまでの時間を大幅に短縮できます。マーケティング担当者にとっては、分析と実行の間にあった“壁”が取り除かれ、よりアジャイルなマーケティングが可能になる点は非常に実用的です。
ただし懸念点としては、セグメントの精度やインサイトの解釈が不十分なまま外部プラットフォームに連携してしまうと、広告のターゲティングが的外れになるリスクがあります。また、各プラットフォームのデータ利用ポリシーやプライバシー規制(例:GDPR、CCPA)に準拠した運用が求められるため、データの取り扱いには慎重さが必要です。さらに、複数プラットフォームへの同時連携を行う場合には、セグメントの一貫性や更新タイミングの管理も重要なポイントとなっていきますね。
過これまでのマーケティング施策では、キャンペーンの成果を振り返ることはできても、その結果を次のターゲティングに直接反映させるには多くの手作業や分析が必要でした。たとえば、どの属性の顧客が反応したのか、どのチャネルが効果的だったのかといった情報を抽出し、次回のセグメント設計に活かすには、マーケター自身が複数のデータソースを横断的に分析する必要があり、スピードと精度の両面で課題がありました。今回の機能強化により、過去のキャンペーンから得られたシグナル(例:開封率、クリック率、コンバージョン、離脱タイミングなど)をもとに、次回のターゲットセグメントを自動的に最適化できるようになりました。たとえば、前回のキャンペーンで高いエンゲージメントを示した属性や行動パターンを学習し、それに類似した顧客を次回の対象として抽出することで、より高い成果が期待できます。これは単なる「過去の振り返り」ではなく、「未来の精度向上」に直結するインサイト活用であり、マーケティングのPDCAサイクルをより高速かつ高精度に回すための重要な進化です。
懸念点としては、過去のキャンペーンが特定の条件や一時的なトレンドに影響されていた場合、そのシグナルを過信すると次回の施策が的外れになるリスクがあります。また、AIによる自動最適化に依存しすぎると、マーケター自身の仮説検証や創造的な発想が弱まる可能性もあるため、あくまで「補助的なインサイト」として活用し、人間の判断と組み合わせることが重要です。さらに、シグナルの抽出ロジックやセグメントの形成過程がブラックボックス化すると、説明責任や透明性の観点で課題が残るため、可視化とチームでの定例レビューの仕組みも併せて整備しておく必要があります。
Customer Insights – Dataは、顧客理解を深めるだけでなく、その理解を即座にアクションに変えるための仕組みを提供しています。パーソナライズされた体験を、よりリアルタイムに、より的確に届けるための基盤として、2025 Wave 2の進化は非常に大きな意味を持っていると言えるでしょう。
D365 Customer Insights-Dataよ、君はどこに向かっているのかい?
「顧客理解のその先へ」― Dynamics 365が描く、データとCXの未来地図。これが室長が抱いているイメージです。
Dynamics 365 Customer Insights – Dataは、もはや「単なる分析ツール」ではありません。2025 Wave 2での進化を通じて、“企業の意思決定と顧客体験のリアルタイム化を支えるプラットフォームエンジン”へと変貌しています。これまでのCustomer Insightsは、データを集め、整え、分析することで「顧客を理解する」ことを目指していました。しかし今、彼が向かっているのはその先――「理解した顧客に、即座に最適な体験を届ける」夢のような世界です。
簡単に復習しておきましょう。
- Microsoft Fabricとの連携により、データの流通と活用がかつてないほどスムーズになり、
- Delta Lakeフォーマットの採用で、分析のスピードと信頼性が飛躍的に向上し、
- OneLakeを通じて、部門横断で統合された顧客プロファイルにアクセスできるようになり、
- そして、広告・マーケティングプラットフォームへの直接エクスポートで、分析からアクションまでの距離がゼロに近づく
Customer Insights – Dataは、企業が「顧客を知る」だけでなく、「顧客に応える」ための武器へと進化しています。彼が向かっているのは、“顧客との関係性を、データで再設計する”未来です。
次回予告:Dynamics 365 Finance |AIと自動化が導く“インテリジェント・ファイナンス”の世界へ
Customer Insights – Dataが進化することで、企業は顧客との関係性をより深く、よりリアルタイムに築けるようになりました。データの力を“理解”から“体験”へと昇華させるこの流れは、今後のビジネスの在り方を大きく変えていくはずです。
そして次回は、同じく2025 Wave 2で進化を遂げた Dynamics 365 Finance に注目します。財務管理の領域において、AIと自動化がどのように意思決定を支援し、業務効率を高めているのか。Customer Insightsとはまた違った視点から、企業の“インテリジェントな未来”を紐解いていきたいと思います。どうぞお楽しみに。
ということで、今日はこのくらいで。Let’s Enjoy our DX365 Journey!
