第6回サプライチェーン&コマース編|Dynamics 365+Copilot|Where we are ? ― Copilotが変える「仕事の時間」と「顧客への向き合い方」

こんばんは。室長こと、吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications|Microsoft Regional Director)です。

あるプロジェクトの現場で、こんな話を聞きました。

月曜の朝。主要部品を供給しているサプライヤーから、「納品が2週間遅れる」という連絡が届いたそうです。

担当者はすぐに確認を始めます。

どの製造オーダーに影響するのか。

どの販売注文に影響が出るのか。

顧客への出荷日はどう変わるのか。

代替調達できるサプライヤーはいるのか。

在庫でどこまで補填できるのか。

答えが出るまでに、半日かかりました。

その間も工場では製造ラインが動き続けています。

倉庫では今日のピッキング作業が進み、需要計画の担当者は来週の調達計画を待っています。

一つの判断の遅れが、別の仕事の待ち時間になります。

同じ頃、数百キロ離れた店舗では、新しく配属された販売スタッフが商品の質問に答えられず、先輩スタッフを探していました。

「このシャツ、Sサイズの在庫はありますか?」

「こちらの商品と、あちらの商品は何が違うんですか?」

顧客を待たせている間にも、次の顧客が来店します。

さらにeコマースサイトでは、夜の間に入った注文の処理が始まっています。

新商品の商品説明はまだ書けていない。

商品が100点あれば、その作業も100回あります。

調達、製造、倉庫、店舗、eコマース。

それぞれが違う仕事をしているように見えて、実際には一本のサプライチェーンでつながっています。

そして、それぞれの現場が毎朝同じ問いと向き合っています。

「今、何が起きていて、次に何をすればいいのか。」

Dynamics 365のCopilotは、この問いに対する判断材料を集める時間を短くしようとしています。

ただし、Supply Chain ManagementとCommerceは別製品です。

提供されるCopilot機能も、Agentも、ライセンスも、バージョン要件も、それぞれ異なります。

だからこそ、今回は二つの製品を並べて整理してみたいと思います。

ということで、第6回のテーマは、Dynamics 365 Supply Chain ManagementとCommerceにおけるCopilotと、これからのAgent活用です。

このシリーズ「Dynamics 365+Copilot|Where we are?」は、各ロールごとにCopilot・Agentの現在地を整理する全12回のシリーズです。3層の全体像はプロローグにまとめています。

📅 本記事の情報は2026年8月21日時点のものです。GA・Previewの状態、展開タイプ、利用条件は変更される可能性があります。最新状況はMicrosoft Learnおよび公式リリースノートでご確認ください。

📌 Business Central(BC)との違いについて

今回扱うのはMicrosoftのfinance and operations appsの一つであるDynamics 365 Supply Chain Managementです。調達、製造、倉庫、在庫、輸送など、エンタープライズ規模のサプライチェーン業務を支えるクラウドERPアプリケーションです。

Business Centralも調達・在庫・販売などを扱うクラウドERPですが、製品アーキテクチャ、導入モデル、対応する業務の複雑性、拡張方式、運用設計がDynamics 365 Supply Chain Managementとは異なります。企業規模だけでなく、法人数、グローバル展開、製造・倉庫業務の複雑性、統制要件なども選択の観点となります。詳細は過去のBlogをご参照ください。

→ Dynamics 365 Business Central vs Finance & Operations
→ システム変更の下で起きていること

→ ERPとDataverseとの連携
→ 帳票を制する(最終回):BC・FO・CRM アーキテクチャ総集編
→ CRM・ERPと月次・年次決算クローズ


「判断が遅れると、動きも遅れる」という連鎖を変える

サプライチェーン・購買・製造の担当者が扱う情報は、複数のシステムとプロセスをまたぎます。

需要予測と販売計画の確認
調達計画と発注書の作成・管理
サプライヤーへの確認・交渉・変更対応
受入、倉庫、在庫状況の把握
製造オーダーへの部品・材料の供給確認
遅延・不足・変更の下流への影響確認
コスト、リードタイム、代替案の判断

一つの変更が、複数の下流トランザクションに影響を与えます。

SCM・購買・製造のCopilotとAgentは、この「影響を把握する時間」と「次に動くための判断を準備する時間」を変えることを目的としています。

ただし、標準Copilotが扱える情報の範囲、AgentのPRP状態と前提条件、追加コストの有無を正確に理解した上で利用計画を立てる必要があります。

📖 本稿でいう「Copilot」「Agent」の整理
Copilot
需要計画の分析補助、ベンダー・発注書・販売注文のAIサマリー、倉庫作業のインサイト、変更影響の可視化、店舗スタッフへの商品・顧客インサイト提供、eコマースの商品コンテンツ生成など、担当者の判断準備と業務効率化を支援する標準AI機能です。
AI Agent
サプライヤーへのメール自動化、変更要求の下流影響自動分析など、反復的な確認・通知・分類業務を担うAIの実行主体です。SCMでは、Procurement AgentがPRPとして提供されており、Supplier CommunicationsとImpact Analysisという2つの主要機能があります。

⚠️ CopilotとAgentが提示する情報・提案は完成物ではありません。在庫状況、契約条件、サプライヤー関係、製造工程、商品情報の判断は担当者が確認した上で対応します。

📌 SCM・Commerce・購買・製造は、一つのロールではない
需要計画・SCM管理

需要予測、販売計画、調達計画、在庫ポリシーを管理します。

調達・購買担当

発注書の作成・管理、サプライヤーとのコミュニケーション、変更対応を担います。

倉庫・製造担当

受入、ピッキング、製造オーダー実行、材料・部品の供給確認を行います。

マーチャンダイザー・EC担当

商品ページのコンテンツ作成、SEO管理、eコマースサイトの商品情報を担当します。

店舗スタッフ・販売員

POSを使った接客・販売業務。顧客の商品質問や在庫確認、パーソナライズ対応を担います。


SCM・Commerceの業務フローで見る|CopilotとAgentはどこに入るか

Supply Chain Managementは、需要予測から始まり、調達・受入・倉庫・在庫・製造・出荷へとつながります。

そしてCommerceは店舗・eコマースの販売現場をカバーし、SCMと連携しながら顧客接点を担います。

CopilotとAgentは、この流れの特定のポイントに入ります。

SCM・CommerceライフサイクルとAI支援
需要予測・販売計画
Demand PlanningワークシートでCopilotが需要計画を分析します。前期比較、前年同期比、トレンド検出、外れ値検出、乖離検出を自然言語で確認できます。計画の確定判断は担当者が行います。
↓
調達計画・発注書管理
発注書の状況をAIサマリーで把握します。確認済み発注書に変更が生じた場合、変更ワークスペースで低影響・高影響に分類し対応します。Procurement AgentのSupplier Communications機能(PRP)が、サプライヤーとのメール確認・変更内容の抽出を支援します。
↓
サプライヤー変更対応
ベンダーから届いた変更要求メールをAgentが読み、変更内容を抽出します。Impact Analysis(PRP)が下流の販売注文・製造オーダー・転送注文への影響を自動分析し、「安全に受入可能」と「要確認」に分類します。最終判断は購買担当者が行います。
↓
受入・倉庫・在庫
倉庫管理モバイルアプリのワークロードインサイトで、作業員がサインイン時に今日の作業量を自然言語で確認できます。ベンダーサマリーでは納品状況や未払い請求書の状況を確認できます。
↓
製造・出荷
販売注文サマリーで未ピッキング・未出荷・未請求の状況を確認できます。調達変更の影響が製造オーダーへ連鎖する場合、Impact Analysisの分析結果が判断材料になります。ただし間接的な下流影響(製造オーダーに紐づく別の製造オーダーなど)は現時点では対象外です。
↓
店舗・eコマース(Commerce)
eコマースサイトでは、Copilot in site builderが商品ページの説明文・マーケティングコンテンツをAIで生成し、検索エンジンを意識したコンテンツ作成を支援します。Store Commerce(POS)では、店舗スタッフが接客中に商品インサイト(Product insights)・顧客インサイト(Customer insights)をリアルタイムで参照できます。Store financialsワークスペースとStatementsページでは、ステートメントサマリーによる売上状況・リスクの確認も可能です。
CopilotとAgentは「判断材料を揃える時間」を変える。最終的な調達・製造・出荷・販売の判断は人が担う。

前半:需要・調達・倉庫を支援する標準Copilot

需要計画の「なぜ」を、自然言語で確認する

📈 需要計画のCopilot分析(Analyze Demand Plans with Copilot)GA

Demand Planningのワークシート上で、需要計画を自然言語の質問形式で分析します。前期との比較、前年同期比、過去6期のトレンド、IQR手法による外れ値検出、MAPE手法による2つのデータ系列の乖離検出など、定型の分析パターンに対して自然言語で回答が生成されます。担当者が計画の異常や変動に気づくための「最初の確認」を支援します。

こんな場面で:先月の需要予測と実績の差が大きかった理由を把握したいとき。特定期間の外れ値を手動で探す作業を減らしたいとき。

前提: Demand PlanningのGAバージョンで動作 / Power Platform統合が必要 / 質問は定型パターン(自由形式クエリには非対応) / 計画の確定判断は人が行う / Demand Planningを本番利用する対象ユーザーには利用条件を満たすライセンスが必要 / 必要なライセンス・容量の条件は、契約形態と最新のDynamics 365 Licensing Guideで確認

ベンダー・発注書・販売注文の状況を、一画面で把握する

📋 AIサマリー(AI Summaries with Copilot)GA

ベンダー詳細画面、発注書詳細画面、販売注文詳細画面に「Copilotによるサマリー」FastTabが表示されます。ベンダーサマリーでは保留状況・オープン発注書数・未払い請求書・延滞請求書などが確認でき、発注書サマリーでは行ごとの受領・請求状況と延滞行の有無が確認できます。販売注文サマリーでは未ピッキング・未出荷・未請求の状況をフィルタリングしながら把握できます。

こんな場面で:ベンダーの現状を詳細画面を開いた時点で即座に把握したいとき。発注書の進捗状況を行単位で確認する前の全体把握に使いたいとき。

前提: SCM 10.0.39 PQU-3以降(または10.0.40 PQU-1以降、10.0.41以降) / Power Platform統合が必要 / Feature Managementで各サマリーを個別に有効化(デフォルトON) / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要

倉庫作業員がサインイン時に、今日の仕事量を把握する

📦 倉庫管理モバイルアプリのワークロードインサイトGA

Warehouse Management Mobile App(WMA)へのサインイン時に、Copilotが当日の倉庫作業量をサマリー表示します。未開始のピッキング・受入作業の件数、アクティブなモバイルセッション数、作業種別の内訳を自然言語で確認できます。担当者はタイルをタップして作業種別の詳細ビューへ展開でき、シフト開始時のリソース配分判断を支援します。

こんな場面で:シフト開始時に今日の作業量と作業種別を素早く把握し、チームへの仕事の割り振りを効率化したいとき。

前提: SCM 10.0.39以降 / WMA 2.3.2.0以降 / Feature Management「Context-aware worker summary screen in WMA」を有効化(10.0.39以降デフォルトON) / Power Platform統合が必要 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要 / 作業員が個別にオフ設定可能

確認後に変更された発注書を、影響度別に整理する

🔄 確認済み発注書変更ワークスペースGA

確認後に変更が生じた発注書を一元管理するワークスペースです。Copilotが変更を「低影響(下流への影響なし・一括再確認可能)」と「高影響(製造・販売・サービスへの下流影響あり・AIサマリー付き)」に分類します。高影響の変更についてはサプライヤーへのメール・Teamsでの直接連絡が可能で、影響を受ける下流需要の集計ビューも提供されます。

こんな場面で:複数の発注書に変更が来た際に、どれを優先して対応すべきかを即座に把握したいとき。低影響変更を一括処理し、高影響変更に集中したいとき。

📌 Copilot機能部分の有効化について

基本ワークスペースはデフォルトで有効化されています。AIサマリー・自然言語による変更分類などのCopilot機能を利用するには、管理者が追加の有効化手順を実施する必要があります。

前提: 基本ワークスペースはデフォルト有効 / Copilot機能は追加有効化が必要(管理者設定) / Power Platform統合が必要 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要 / 直接の下流影響のみ分析対象


中盤:店舗・eコマースを支援する標準Copilot(Commerce)

D365 CommerceにもGAのCopilot機能が4つあります。

いずれもSCMとは別製品として提供されており、ライセンス・バージョン要件・有効化手順もそれぞれ異なります。

Commerceを利用している組織では、SCMのCopilotとは独立して確認・計画が必要です。

eコマースの商品ページを、AIでコンテンツ生成する

🛍️ Copilot in site builder(サイトビルダーでの商品コンテンツ生成)GA

eコマースサイトの商品詳細ページに掲載するコンテンツを、AIが自動生成します。商品名・説明・属性・価格などの基本情報をもとに、ブランドのトーン(冒険的・高級感・カジュアルなど)とターゲット顧客(新米パパ・大学卒業生・医療従事者など)を指定すると、マーケティングコピーを生成します。商品ページのコンテンツ作成を支援し、検索エンジンを意識した説明文やページコンテンツの作成効率を高めます。実際のSEO成果は、コンテンツ品質、メタデータ、サイト構造、検索エンジン側の評価など複数の要因に左右されます。マーチャンダイザーがコンテンツ制作にかかる時間を減らし、より多くの商品コンテンツを効率的に改善・検証できるようになります。

こんな場面で:新商品を100点追加する際に、商品説明文を一から書く作業を効率化したいとき。ターゲット別のコピーを複数パターン試したいとき。SEO対策のためのコンテンツ最適化を担当者が一人でこなしたいとき。

前提: 2024年3月以降グローバルでGA提供 / 23言語以上対応 / Site builderのTenant settings > FeaturesでCopilotを有効化 / 地域によってはcross-geo communication設定が必要 / 生成コンテンツは公開前に必ずレビュー / D365 Commerceライセンスに含まれる(追加費用不要)

店舗スタッフが接客中に、商品情報をリアルタイムで参照する

🏪 Product insights by Copilot(商品インサイト)GA

Store Commerce app(POS)内で、Copilotが商品情報のAIサマリーを店舗スタッフに提供します。商品のメリット・在庫状況・適用可能なディスカウント・プロモーション・関連商品(アップセル・クロスセル)を自然言語でまとめて表示し、接客中に素早く参照できます。大規模な商品カタログを全部記憶できなくても、スタッフが的確な商品説明と提案をできるよう支援します。商品知識の平準化により、経験の浅いスタッフでも即戦力として接客に臨めます。

こんな場面で:新しい販売スタッフが豊富な商品知識なしに接客を始めるとき。顧客から「このサイズは?」「おすすめは?」と聞かれた際に素早く答えたいとき。

⚠️ 現時点では英語環境のみ対応

Product insights by CopilotはCommerce 10.0.39 PQU-4以降が必要です。記事作成時点では英語環境のみの対応となっています。日本語環境での利用可否は公式ドキュメントで最新情報を確認してください。

前提: Commerce 10.0.39 PQU-4以降(CSU: 9.49.24184.3 / Store Commerce app: 9.49.24193.1)または10.0.40 PQU-1以降 / Feature Management「Enable Copilot in Store Commerce」を有効化 / Commerce shared parametersで有効化 / POS機能プロファイルのCopilot FastTabで「Product insights」を有効化 / 1070ジョブ実行 / Dataverse統合が必要 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要

顧客の購買履歴と嗜好を、接客の場でリアルタイムに把握する

👤 Customer insights by Copilot(顧客インサイト)GA

顧客がPOSを訪れた際に、Copilotが顧客プロファイルをAIサマリーで提示します。よく購入するカテゴリ・価格帯、RFM分析(直近購買・購買頻度・購買金額)、ライフタイムバリュー、過去の来店・メモ・イベントの活動タイムラインを一覧で確認できます。過去1年の購買履歴から自然な会話のきっかけを提案し、購買履歴・興味・予算に基づいたパーソナライズされた商品提案も可能です。

こんな場面で:常連顧客が来店した際に、前回の会話の続きから始められるよう準備したいとき。優良顧客に対してその人に合った商品を提案し、リピート購買を促したいとき。

⚠️ 現時点では英語環境のみ対応

Customer insights by CopilotはCommerce 10.0.39 PQU-4以降が必要です。記事作成時点では英語版Commerce環境向けとして案内されています。導入対象環境での対応言語は最新のMicrosoft Learnで個別に確認してください。

📌 分析対象データの範囲について

Copilotによる顧客インサイトは、利用可能な顧客データと対象期間・データ件数の範囲に基づいて生成されます。全履歴を無制限に分析する機能ではないため、重要な顧客判断では元データも確認します。

前提: Commerce 10.0.39 PQU-4以降 / Feature Management + Commerce shared parameters + POS機能プロファイルのCopilot FastTabで「Customer insights」を有効化 / 1070ジョブ実行 / Dataverse統合が必要 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要

📌 Store CommerceのCopilotによるインサイト:キャッシュについて

商品インサイト・顧客インサイトの結果は、パフォーマンス上の理由からストアレベルで一定時間キャッシュされます。最新の商品・顧客情報とのタイミング差が発生する可能性があるため、価格、在庫、顧客情報などの確定判断は必要に応じて元データを確認します。

ステートメント投稿の状況とリスクを、AIサマリーで確認する

📊 Copilot statement posting summaries(ステートメント投稿サマリー)GA

Store financialsワークスペースとStatementsページにCopilotが投稿済み・未投稿のステートメントに関するAIサマリーを表示します。Statusセクションでは計算済み状態でスタックしているトランザクション数・総売上金額・最古トランザクション日・未投稿シフト数を確認できます。Risksセクションでは1日以上ステートメントを投稿していない店舗や、領収書なし返品・経費トランザクション・価格上書きなどを行ったスタッフの情報を確認できます。Feature Managementでデフォルトで有効化されています。

こんな場面で:複数店舗のステートメント投稿状況を一画面で把握したいとき。未投稿が長期化している店舗や異常トランザクションを素早く特定したいとき。

前提: Commerce 10.0.38 PQU-5以降(または10.0.39 PQU-3以降、10.0.40以降) / Feature Management「Enable Copilot based summary and insights for Calculated and Posted statements」(デフォルトON) / 「Enable summarized insights for unposted statements」(デフォルトON) / Dataverse統合が必要 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要

ここまでを一言でまとめると

CommerceのCopilot機能(4つ)はすべてGA提供です。ただし、Store Commerce POSの商品・顧客インサイトは記事作成時点で英語環境のみ対応しており、日本語環境での利用可否は別途確認が必要です。CommerceのCopilot機能は、機能によってPower Platformの統合やDataverse環境との連携が必要です。各機能の前提条件を個別に確認してください。


後半:Microsoft提供のAgent・AI協働機能

2026年8月21日時点で、Dynamics 365 SCMではProcurement AgentがProduction-ready Previewとして提供されています。

本稿では、その主要な2つの機能である「Supplier communications」と「Impact analysis」を紹介します。

いずれも「ライセンスがあれば動く」ではなく、Power Platform統合・共有メールボックス・Copilot Studio creditsなどの追加前提条件が必要です。

標準Copilot(GA)と同列に並べず、PRP(Production-ready Preview)として別途検証した上で導入計画を立てることが重要です。

サプライヤーとのメールを、AgentがPRPで自動化する

📧 Supplier Communications(Procurement Agent)PRP|Production-ready Preview

何をするか:調達チームとサプライヤーの間で繰り返されるメール業務を自動化します。主な機能は2つです。①フォローアップ自動化: 発注書の確認がないサプライヤーや、納品が遅れているサプライヤーへのリマインダーメールを自動生成し、人のレビュー後に送信するか、自律的に送信できます。②メール読み取りと変更抽出: サプライヤーから届いたメールをAgentが読み、発注書番号を特定し、変更内容(数量・日付・価格等)を抽出して購買担当者に提示します。担当者はワンクリックで変更をD365へ適用できます。

営業・技術上の境界:これは「全サプライヤーとの全メールを自律処理する」Agentではありません。設定した対象サプライヤーに対して、ポリシーと判断基準に基づく繰り返しメール業務を支援します。変更内容の最終受入判断は購買担当者が行います。

⚠️ Production-ready Previewとして扱う

Supplier Communications機能(Procurement Agent)はGAではありません。supplemental terms of use、提供状況、Copilot Studio creditsの課金モデル(実行ごとの固定費 + 変動費)、対象メールの設定範囲、共有メールボックスの要件を確認します。

前提: PRP(supplemental terms of use適用) / Agent deployment wizard(Preview)または手動セットアップ / 共有メールボックスの構成が必要 / Power Platform統合が必要 / Copilot Studio creditsが必要(実行ごとに課金) / 対象サプライヤーの範囲設定

🔍 Impact Analysis(Procurement Agent — 調達Agent影響分析)PRP|Production-ready Preview

何をするか:サプライヤーから届いた変更要求(数量・日付の変更など)が、下流のペギングや関連する供給・需要関係をもとに、在庫・製造・顧客への供給に対する影響を評価します。マーキングとペギング情報をたどり、「安全に受入可能(下流影響なし)」と「要確認(下流影響あり)」に変更を分類します。購買担当者は「安全」と判断された変更をまとめて受入でき、要確認変更に集中できます。仮想シナリオのシミュレーション(リスクのある発注書に対して事前に影響を確認)にも対応しています。

Supplier Communications機能との連携:Supplier Communications機能がメールから変更内容を抽出すると、Impact Analysisが自動的に起動して影響分析を実行します。Vendor Collaborationポータル経由の変更にも対応しています。

⚠️ 直接の下流影響のみ対象

現時点では直接の下流影響のみ分析対象です。製造オーダーに依存する別の製造オーダーなど、間接的な下流影響は含まれません。分析結果は購買担当者が確認した上で受入判断を行います。

前提: PRP(supplemental terms of use適用) / Supplier Communications(Procurement Agent)またはVendor Collaborationポータルとの連携が必要 / Procurement Agentの設定が必要 / Power Platform統合が必要 / Copilot Studio creditsが必要(実行ごとに課金・変更行数による変動費あり)

なお、Impact Analysisの導入には、SCMおよびCopilot関連ソリューションのバージョン要件、Agent managementとProcurement Agentのセットアップ、Agent identityとDataverse・Copilot Studio接続、必要なセキュリティロール、Power Automateフローの設定など、複数の構成要素を整備する必要があります。

「設定すれば使える」レベルではなく、本格的なシステム統合と運用設計が伴います。詳細なセットアップ手順はMicrosoft Learn(Impact analysis setup)を参照してください。

提供状態(GA/PRP)の定義

ステータス 本番利用 意味 記事での扱い
GA ○ 一般提供。正式リリース済み 本番利用を前提として説明。ライセンス、バージョン、管理者設定など各機能の追加条件は別途確認
PRP 条件付きで可 Production-ready Preview。本番環境での利用を想定したプレビュー。supplemental terms of use適用 GAと同義ではありません。supplemental terms of use適用、仕様変更の可能性あり。利用条件・creditsコストを個別確認

「GAだから即時利用できる」「PRPだから使えない」という二分法ではなく、提供ステータスと本番運用上の追加条件を分けて判断することが重要です。

ここまでを一言でまとめると

標準CopilotはGA機能として需要計画・調達・倉庫の各場面に入っています。Supplier Communications機能(メール自動化)とImpact Analysis機能(下流影響分析)はいずれもProcurement AgentのPRP機能として提供されており、Copilot Studio creditsが別途必要です。


Procurement Agentの2つの主要機能を「ライセンス」だけでなく「利用条件」で見る

「SCMのライセンスがあればAgentも使える」と整理するのは早計です。

それぞれに、ライセンスとは別の層にある前提条件があります。

Agent名 製品上の位置付け ライセンス以外に確認するポイント
Supplier Communications
(Procurement Agent)
PRP
Procurement Agent(PRP)のSupplier Communications機能。メール自動化(確認リマインダー送信・変更メール読み取りと変更内容抽出)を担うCopilot Studio Agent。 Agent deployment wizard(Preview)によるセットアップ / 共有メールボックスの構成 / Power Platform統合 / Copilot Studio credits(実行ごとの固定費 + 変更行数による変動費) / 対象サプライヤーの範囲設定 / PRPとしてsupplemental terms of use適用
Impact Analysis
(Procurement Agent)
PRP
Procurement AgentのPRP機能。サプライヤー変更要求の下流影響(在庫・製造・顧客への供給影響)を評価し、安全受入可能/要確認に分類する。 Supplier Communications機能(Procurement Agent)またはVendor Collaborationポータルとの連携 / Procurement Agentのセットアップ / Power Platform統合 / Copilot Studio credits(変更行数に応じた変動費) / 直接の下流影響のみ対象(間接下流は未対応) / PRPとしてsupplemental terms of use適用

ライセンスと管理者設定の現実

「SCMライセンスがあれば、CopilotもAgentもすぐに動く」ではありません

機能ごとに必要なSCMバージョン、Power Platform統合の有無、Feature Managementでの有効化、Demand Planningライセンスの要否、Copilot Studio creditsの課金モデルが異なります。標準Copilot(GA)とPRPのAgentを同列に並べず、それぞれの利用条件を個別に確認します。

D365 SCM・CommerceのCopilot・Agent利用は、ライセンスを持っているだけでは動きません。

SCM・Commerceはそれぞれ別製品です。

バージョン要件、Power Platform統合、Feature Managementでの有効化、さらにAgentはCopilot Studio creditsという追加課金が、機能ごとに重なります。

SCM・Commerce Copilot・Agent 利用条件の5つのレイヤー

Layer 1 基本製品ライセンスとユーザー権限
【SCM】需要計画のCopilot分析を本番利用する対象ユーザーには、Demand Planningの利用条件を満たすライセンスが必要です。SCM Premiumとの関係やライセンス構成は、契約形態と最新のDynamics 365 Licensing Guideで確認します。その他のGA Copilot機能(AIサマリー、ワークロードインサイト)は標準SCMライセンスの範囲で動作します。【Commerce】4つのGA Copilot機能はD365 Commerceライセンスに含まれ、追加費用は不要です。ただしStore Commerce POSの商品・顧客インサイトは記事作成時点で英語環境のみ対応です。ライセンスとは別に、セキュリティロールによってユーザーがアクセスできる機能の範囲が制御されます。

Layer 2 標準Copilot(GA機能)
記事作成時点で、SCMには需要計画のCopilot分析・AIサマリー(ベンダー/発注書/販売注文)・ワークロードインサイト・確認済み発注書変更ワークスペース内のAI機能、CommerceにはCopilot in site builder・Product insights・Customer insights・Copilot statement summariesがGA提供されています。各機能はFeature Managementまたは製品固有の設定で個別に管理されます。バージョン要件と地域・言語対応の最新情報は公式ドキュメントを確認してください。

Layer 3 Agent実行基盤
Procurement AgentのSupplier Communications機能とImpact Analysis機能はPRPとして提供されており、いずれもCopilot Studio Agentとして動作します。標準ライセンスとは別に、Copilot Studio creditsが実行ごとに課金されます。セットアップはAgent deployment wizard(Preview)または手動で実施します。

Layer 4 システム構成
【SCM】標準Copilotは主にFeature Managementで有効化します。需要計画CopilotはPower Apps Maker PortalのSolution設定で制御します。AgentはAgent deployment wizard(Preview)を使います。Supplier Communications機能(Procurement Agent)には共有メールボックスの構成が必要です。【Commerce】Copilot in site builderはSite builderのTenant settings > Featuresで有効化します。Store Commerce POSのCopilot機能は、Feature Management + Commerce shared parameters + POS機能プロファイルのCopilot FastTabという3段階の有効化と、1070ジョブ実行が必要です。機能によってDataverse統合(Power Platform統合)が前提となります。

Layer 5 提供条件
GA機能は本番利用を前提とした提供ですが、各機能に必要なバージョン要件があります。PRP機能(Procurement Agentの2つの主要機能)はGAではなく、supplemental terms of useが適用されます。CommerceのStore Commerce POSのCopilot機能は記事作成時点で英語対応のみのため、日本語環境での利用可否は別途確認が必要です。

機能別提供状態

機能名 提供状態 主な利用場面 管理者設定・主な前提条件
需要計画のCopilot分析 GA Demand Planningワークシート Power Apps Maker Portal設定 / Demand Planningの利用条件を満たすライセンスが必要 / デフォルトON
AIサマリー(ベンダー/発注書/販売注文) GA 各詳細画面(FastTab) Feature Management(デフォルトON) / SCM 10.0.39 PQU-3以降 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要
倉庫管理モバイルアプリのワークロードインサイト GA Warehouse Management Mobile App Feature Management(デフォルトON) / SCM 10.0.39以降 / WMA 2.3.2.0以降 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要
確認済み発注書変更ワークスペース
(Copilot AI機能部分)
GA 調達ワークスペース 基本ワークスペースはデフォルト有効 / Copilot機能は追加有効化が必要 / Power Platform統合
Supplier Communications(Procurement Agent) PRP 調達・発注書管理 Agentセットアップ / 共有メールボックス / Power Platform統合 / Copilot Studio credits(課金あり)
Impact Analysis
(Procurement Agent)
PRP 調達変更の下流影響分析 Procurement Agentセットアップ / Supplier Comm. AgentまたはVendor Collaboration / Copilot Studio credits(課金あり)
▼ D365 Commerce(以下4機能はCommerce製品)
Copilot in site builder
(商品コンテンツ生成)
GA サイトビルダー(eコマース) Site builder > Tenant settings > Featuresで有効化 / 地域によりcross-geo設定が必要 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要
Product insights by Copilot
(商品インサイト)
GA Store Commerce app(POS) Commerce 10.0.39 PQU-4以降 / 3段階の有効化 + 1070ジョブ / Dataverse統合 / 現時点では英語環境のみ
Customer insights by Copilot
(顧客インサイト)
GA Store Commerce app(POS) Commerce 10.0.39 PQU-4以降 / 3段階の有効化 + 1070ジョブ / Dataverse統合 / 現時点では英語環境のみ
Copilot statement posting summaries
(ステートメント投稿サマリー)
GA Store financials / Statementsページ Feature Management(デフォルトON) / Commerce 10.0.38 PQU-5以降 / Dataverse統合 / 追加のCopilot専用ライセンスは通常不要

導入前の6つの確認事項

導入前の6つの確認事項

【SCMバージョンと機能要件】

AIサマリーとワークロードインサイトはSCM 10.0.39以降が必要です。ワークロードインサイトはWMAも2.3.2.0以降が必要です。現在の環境バージョンを確認した上で、各機能の前提バージョンを満たしているか確認します。

【需要計画のライセンス分離】

需要計画のCopilot分析を本番利用する対象ユーザーには、Demand Planningの利用条件を満たすライセンスが必要です。ライセンス構成や容量・AI機能の利用条件は、契約形態と最新のDynamics 365 Licensing Guideで確認します。

【Dataverse統合(Power Platform統合)の前提】

SCM・CommerceのCopilot・Agent機能では、機能によってFinance and OperationsとPower Platformの統合、Dataverse環境との連携、Copilot capabilitiesの有効化が必要です。すべての機能が同一の設定で動作するわけではないため、対象機能ごとの前提条件を確認します。地域によってはcross-geo設定が必要な場合があります。

【AgentのCopilot Studio credits課金】

Procurement AgentのSupplier Communications機能とImpact Analysis機能は実行ごとにCopilot Studio creditsが課金されます(固定費 + 変動費)。テナントの利用量計画・コスト設計・上限管理を導入前に確認します。

【PRPの運用設計と検証】

Procurement AgentのSupplier Communications機能とImpact Analysis機能はPRPです。対象サプライヤーの範囲設定、自律送信の適用範囲、直接影響のみという分析の限界、例外処理を本番導入前に十分検証します。

【CommerceのStore Commerce POSの英語対応制約】

Product insights by Copilotは記事作成時点で英語版Commerce環境向けとして案内されています。Customer insights by Copilotについても、対応言語は導入対象環境の最新Microsoft Learnで個別に確認します。Copilot in site builderは23言語以上対応しています。

導入前に確認しておきたいチェックリスト

【SCM】
□ 現在のSCM環境バージョンが各機能の最低要件(10.0.39以降等)を満たしているか
□ Dataverse統合(Power Platform統合)が環境で有効化されているか
□ Feature Managementで各Copilot機能が有効化・確認されているか
□ 需要計画のCopilot分析を利用する場合、Demand Planningの利用条件を満たすライセンス構成か(最新のDynamics 365 Licensing Guideを確認)
□ 需要計画Copilotの定型質問パターンが自社の分析ニーズをカバーしているか確認したか
□ AIサマリーが表示されるベンダー・発注書・販売注文の画面で動作確認を行ったか
□ 倉庫管理モバイルアプリのバージョンが2.3.2.0以降になっているか
□ Procurement AgentのPRP・supplemental terms of useを確認したか(Supplier Communications機能 / Impact Analysis機能)
□ Agentセットアップに必要な共有メールボックスを設定できるか
□ Copilot Studio creditsの課金モデルと月次コストを見積もったか
□ Impact Analysisが直接の下流影響のみを対象とすることを関係者が理解しているか
□ AgentのPRP機能を本番導入前に十分検証する計画があるか
□ 自律メール送信の対象サプライヤー範囲と送信ルールを定めたか
□ AI出力(サマリー・分析・メール案)を確認・承認するレビュー責任者を決めたか
□ カスタムAgentを検討している場合、Copilot Studio、コネクタ、SCMデータモデルを確認したか
【Commerce】
□ D365 Commerceのバージョンが各機能の要件を満たしているか(Copilot statement summaries: 10.0.38 PQU-5以降 / Store Commerce POSの機能: 10.0.39 PQU-4以降)
□ Dataverse統合がCommerce環境で有効化されているか
□ Copilot in site builderを利用する場合、地域によるcross-geo設定の要否を確認したか
□ Store Commerce POSのCopilot機能を利用する場合、機能ごとの対応言語を最新のMicrosoft Learnで確認したか(Product insightsは記事作成時点で英語版環境向けとして案内)
□ POS機能プロファイルのCopilot FastTabで必要な機能を有効化し、1070ジョブを実行する手順を確認したか
□ AIが生成した商品コンテンツを公開前にレビューする体制が整っているか
□ Store Commerce POSのCopilot機能を利用するスタッフへの説明とトレーニング計画があるか

ここまでを一言でまとめると

SCM・CommerceのGA Copilot機能は、バージョン・Power Platform統合・Feature Management等の機能固有設定で動きます。CommerceのStore Commerce POSのCopilot機能は記事作成時点で英語対応のみです。PRPのAgentはCopilot Studio creditsという追加コストと共有メールボックス・セットアップ手順が必要です。SCMとCommerceを別製品として、それぞれの利用条件を機能ごとに確認します。

※ 本章のライセンス・提供状態に関する情報は2026年8月21日時点のものです。GA・PRPの状態、バージョン要件、管理者設定、利用条件は変更される可能性があります。最新状況はMicrosoft Learnおよび公式リリースノートでご確認ください。

Dynamics 365 SCM・Commerceの3層マッピング

標準Copilot

製品固有のAI支援(GA)

SCM

• 需要計画のCopilot分析
• AIサマリー(ベンダー/発注書/SO)
• 倉庫管理ワークロードインサイト
• 確認済み発注書変更ワークスペース

Commerce

• Copilot in site builder
• Product insights by Copilot
• Customer insights by Copilot
• Copilot statement summaries

Microsoft提供のAgent

確認済みAgent(PRP)

SCM(PRP)

• Supplier Communications(Procurement Agent) PRP
• Impact Analysis
(Procurement Agent) PRP

カスタムAgent

Copilot Studio+Power Platform

例)在庫不足アラートAgent
例)製造オーダー遅延監視Agent
例)調達承認支援Agent
例)商品カタログ一括生成Agent
例)来店顧客フォローアップAgent


まとめ

Dynamics 365 SCMとCommerceにおけるCopilotと、これからのAgent活用の現在地を整理しました。

SCMの標準Copilotは、需要計画の分析補助、ベンダー・発注書・販売注文のAIサマリー、倉庫作業のワークロードインサイト、確認済み発注書の変更管理という4つのGA機能として、SCMの主要な業務場面に入っています。

CommerceのCopilotは、eコマースの商品コンテンツ生成(Copilot in site builder)、Store Commerce POSでの商品インサイト・顧客インサイト、ステートメント投稿サマリーという4つのGA機能として提供されています。

ただし、Store Commerce POSのCopilot機能は記事作成時点で英語環境のみ対応しており、日本語環境での利用可否は別途確認が必要です。

Procurement AgentのSupplier Communications機能(メール自動化)とImpact Analysis機能(変更影響分析)はPRPとして提供されており、いずれも購買担当者の判断を支援するものです。

ただし、いずれもCopilot Studio creditsが別途必要で、追加のセットアップ手順があります。

Impact Analysisは現時点で直接の下流影響のみを対象としており、間接的な連鎖影響は含まれません。

判断の時間を減らすためにAIを活用するには、AIが判断材料を揃えられる状態—正確な需要データ、更新された発注書情報、整備された顧客・商品データ、設定済みのAgentと共有メールボックス—が先に必要です。

調達の変更対応、在庫の可視性、製造への影響判断、そして店舗・eコマースでの顧客接点という連鎖を、AIを前提として設計し直すことが、これからのSCMとCommerceの問いになっています。

💬 一つ聞いてもいいですか?

あなたの会社では、サプライヤーからの変更連絡を受けてから下流への影響を把握するまでに、どれくらいの時間がかかっていますか?また、店舗スタッフが顧客の質問に答えるために、どれくらいの準備時間が必要ですか?

SCM・購買・製造の仕事は、常に「間に合わせる」ことと戦っています。

納品が遅れれば製造が止まり、製造が止まれば出荷が遅れ、出荷が遅れれば顧客へ影響が出る。

その連鎖を止めるために、調達担当者は今日もサプライヤーのメールを開いて、発注書を確認して、製造計画担当者に連絡しています。

店頭では、店舗スタッフが顧客の前でスマートに答えるために、商品情報を頭に入れ直しています。

eコマースのマーチャンダイザーは、増え続ける商品のページを一つずつ書き続けています。

Copilotが減らせるのは、その情報を集めて整理して「どこに影響が出るか」「この顧客は何を求めているか」を確認する時間の一部です。

人が判断に使える時間と、判断の根拠になるデータが増えれば、その分だけ「間に合わせる力」も「顧客に向き合う力」も変わっていきます。

SCM・Commerce・購買・製造に関わる皆さん、Let’s Enjoy our DX365LIFE!

次回は第7回 財務・経理編です。

締める時間を短く、読む時間を長くするCopilotとAgentの現在地を整理します。

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  • dx365jp
  • 25年ほど、Microsoft Dynamics 365 【ERP(NAV/AX)+CRM】の導入コンサルティングに従事し、日本を含む34か国において導入コンサルティングを経験してきました。グローバル環境における“プロジェクト”と“マーケティング”を生業としております。

    最近は、【CRM/MKTG(攻めのDX)⇔ ERP(守りのDX)】+【ローコード】というDX365な活動に奮闘中です。Microsoft Dynamics 365 ビジネスで地球を92周中です。#DX365 #DynamicsIoT

    Microsoftの運営する外部技術者グローバル組織「Microsoft MVP(*日本163名/世界3674名)・ Microsoftのトラスティッドアドバイザーである「Microsoft Regional Director (*日本4名/世界167名)」として、複数のITコミュニティーにて活動中。(*2026/08/08時点)

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