Dynamics365 2025 wave2_Commerce

こんばんは。室長こと、吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications| Microsoft Regional Director) です。皆さま、お元気ですか!
9月3日(水)午前2時15分です。午前4時には公開できるように思います。Dynamics 365 2025 wave2のアップデートを纏めも今回で最終稿⁈となります。

#Copilot Everywhere
一言で表現するならこれにつきます。それでは、Dynamics 365 Commerce 2025 wave2について、Microsoft Learnで公開されている情報をもとに室長の見解を纏めていきたいと思いますので、今日も最後までお付き合いいただけると幸いです!
D365 Commerceよ、君はどこに向かっているのかい?
2025 Wave 2のDynamics 365 Commerceにおける今回のアップデートでは、オンライン・オフライン・コールセンター・POSを横断する統合的なコマース体験を支える機能が多数登場する計画です。“Copilot Everywhere”ということで、AIがどのようにビジネスプロセスを再定義していくのか?室長はここに注目しています。
Commerceは“体験”で差をつける時代へ|Copilotが描く次世代購買戦略
これまでのCommerceは、価格や品揃え、チャネルの多さといった“スペック”で競う時代が続いてまいりました。しかし、今、私たちが目にしているのは、そうした競争軸が“体験”へと移り変わっているという明確な流れです。2025 Wave 2のDynamics 365 Commerceでは、Copilotを中心とした機能強化が進み、顧客一人ひとりに寄り添った購買体験の設計が可能になってきました。単なるレコメンドではなく、文脈を理解し、タイミングを捉え、チャネルを選び、最適な提案を行う。そうした“体験の質”こそが、これからのCommerceの差別化要因になっていくのではないかというのが室長の読みです。
Dynamics 365 Commerce 2025 Wave 2:“顧客体験”と“店舗運営”を革新する新機能群
Dynamics 365 Commerceは、ヘッドレス・オムニチャネル小売ソリューションとして、店舗・EC・コールセンターを統合したシームレスな顧客体験を提供します。2025 Wave 2では、デジタルコマース、オムニチャネル、店舗POSの3領域で大幅な機能強化が予定されています。
≪Digital Commerce≫
Use Azure Maps in Dynamics 365 Commerce:地図体験の進化がもたらす、よりスマートな顧客導線
Dynamics 365 Commerceは、これまでBing Mapsを地図機能として採用してきましたが、2025 Wave 2のリリースにより、Azure Mapsへの切り替えが可能になります。これにより、地図体験が大きく進化し、より柔軟で高精度なロケーションサービスが提供されるようになります。
Dynamics 365 Commerceでは、これまで地図機能としてBing Mapsが利用されていましたが、2025 Wave 2のリリースにより、Azure Mapsへの切り替えが可能になります。これにより、地図体験が大きく進化し、より柔軟で高精度なロケーションサービスが提供されるようになるようです。従来のBing Mapsでは、店舗検索やルート案内などの基本的な地図機能は提供されていたものの、地図表示のカスタマイズ性が限定的で、ブランド独自のUI設計が困難でした。また、他のAzureサービスとの連携が弱く、地図情報を活用した高度な分析やパーソナライズが難しいという課題もありました。さらに、一部地域では地図精度や更新頻度に課題があり、グローバル展開時に不便を感じるケースも見られました。
今回のAzure Maps対応により、Dynamics 365 Commerceは高精度な地図表示を実現し、リアルタイムの交通情報や地理データを活用した店舗案内や配送エリアの表示が可能になります。店舗や倉庫の位置を独自に定義できるカスタムロケーション機能も追加され、顧客の現在地に応じた最適な導線設計が可能になります。さらに、Azure FunctionsやAzure AIとの連携により、地図情報を活用したパーソナライズや自動化が実現され、地図体験が単なるナビゲーション機能から、顧客体験の中核へと進化します。
この機能は、Store Commerce(POS)、ECサイト、管理者ポータルなど、Commerce全体で利用可能であり、Azure Maps APIを通じて店舗検索、ルート案内、配送エリアの可視化など、地図を活用したUI/UXが強化されます。ただし、Azure Mapsの利用には別途Azureサブスクリプションが必要であり、既存のBing MapsからAzure Mapsへの切り替えには設定変更やAPIの再構成が必要となる場合があるので注意しましょう。一般提供(GA)は2025年12月を予定しており、今後のCommerce体験の設計において、地理情報の活用がますます重要な役割を果たすことになるでしょう。
≪Omnichannel Commerce≫
統合価格管理と非同期決済がもたらす、次世代コマース体験の基盤
Dynamics 365 Commerceの2025 Wave 2では、オムニチャネル戦略の中核を担う価格管理と決済処理において、重要な進化が実現される計画のようです。オムニチャネル戦略の本質は、チャネルの統合だけでなく、価格と決済の体験を一貫性のあるものにすることにあります。2025 Wave 2のDynamics 365 Commerceでは、まさにこの“体験の統合”を支えるための重要な機能強化が行われました。価格設定の一元管理、柔軟な価格属性の導入、そして非同期決済処理の拡充により、企業はより戦略的かつ安定したコマース運営が可能になります。
これまで、価格設定はチャネルごとに分断されており、POSとECで異なる価格ロジックを個別に管理する必要がありました。これにより、価格整合性の維持や変更作業に多大な労力がかかっていました。今回のリリースでは、「統合価格管理」への移行を支援する機能が追加され、複雑な価格設定を一元的に管理できるようになります。これにより、POSとEC間の価格整合性が向上し、運用負荷の軽減と戦略的な価格設計が可能になります。移行には既存の価格設定ロジックの見直しと、データ移行の準備が必要ですね。
従来、POSやECでは価格属性の定義が固定的で、顧客属性や商品特性に応じた柔軟な価格戦略の展開が困難でした。今回のアップデートにより、「カスタム価格属性」がPOSとECの両方でサポートされ、たとえば会員ランクや地域、商品カテゴリなどに応じた価格設定が可能になります。これにより、マーケティング施策と価格戦略の連携が強化されます。ただし、カスタム属性の設計には、価格エンジンとの整合性やUI表示の調整が必要になってきますね。
これまで、Commerce本部では決済通知がリアルタイム処理に依存しており、外部決済サービスとの連携に制約がありました。今回のリリースでは、「非同期決済通知」がCommerce本部でサポートされ、Adyenなどの外部決済サービスとの連携が強化されます。これにより、決済完了のタイミングに柔軟性が生まれ、処理の安定性が向上します。導入には、外部サービスとの契約や通知フローの設計が重要になってくると思いますので、しっかりとお時間を使いましょう。
従来、Commerce注文はリアルタイム決済処理が前提であり、非同期処理が必要な商流(予約販売、B2Bなど)では運用が困難でした。今回のアップデートにより、「非同期決済処理」がCommerce注文に対してもサポートされ、決済完了を待たずに注文処理を進めることが可能になります。これにより、複雑な商流にも対応できる柔軟な注文管理が実現されます。運用には、注文ステータス管理やエラー処理の設計が重要になるので、チーム内で意見を取りまとめて要件定義、設計にしっかりと時間を割きましょう。
コールセンター注文では、従来の決済手段が限定的で、顧客にリンクを送って支払いを促す「Pay by Link」などのモダンな手法には対応していませんでした。今回のリリースでは、「Pay by Link」がコールセンターにおける注文でもサポートされ、オペレーターが顧客に支払いリンクを送信することで、スムーズな決済が可能になります。これにより、電話注文の利便性が向上し、コンバージョン率の改善が期待できますね。でも、決済サービスとの連携と、オペレーションフローの見直しが必要になるので、しっかりとチームで方向性を見定めてください。
Dynamics 365 Commerce 2025 Wave 2では、価格管理と決済処理の柔軟性が大幅に向上しました。価格設定は統合管理が可能となり、POS・EC間の整合性が改善。カスタム価格属性により、顧客や商品に応じた戦略的価格設計が実現されます。決済面では、非同期通知と処理がサポートされ、外部サービスとの連携が強化。さらに、コールセンター注文でも「Pay by Link」に対応し、電話注文の利便性が向上しました。これらの機能は、オムニチャネル体験の基盤を再構築する重要なアップデートだと言えるでしょう。
≪Store Commerce≫
オフライン対応と地図機能の進化が店舗体験を再定義する
店舗運営において、POSの安定性と地図機能の精度は、顧客体験と業務継続性の両面で極めて重要です。2025 Wave 2のDynamics 365 Commerceでは、Store Commerceアプリにおけるオフライン対応とAzure Mapsへの切り替えという2つの大きな進化が実現され、リアル店舗の信頼性とUXが飛躍的に向上します。
これまで、Store Commerceアプリ(POS)はオンライン環境が前提であり、ネットワーク障害時には販売業務が停止してしまうリスクがありました。今回のリリースでは、Android版Store Commerceアプリがオフライン対応となり、ネットワークが不安定な状況でも販売業務を継続できるようになります。これにより、BCP(事業継続計画)への対応力が強化されます。ただし、オフライン時のデータ同期や在庫整合性には注意が必要であり、導入前に業務フローの見直しが求められることになるでしょう。
同様に、iOS版Store Commerceアプリもオフライン対応となり、iPadなどを活用したモバイルPOS環境でも、ネットワーク障害に左右されない安定した販売が可能になります。これにより、イベント販売や仮設店舗など、通信環境が不安定な場面でも柔軟な運用が可能になります。Android版と同様、オフライン時のトランザクション管理と再同期処理には設計上の配慮が必要ですね。
これまで、Commerceの店舗アプリではBing Mapsが地図機能として利用されていましたが、カスタマイズ性や精度に限界がありました。今回のアップデートにより、Azure Mapsが店舗アプリに導入され、より高精度な地図表示と柔軟なロケーション管理が可能になります。これにより、店舗検索やルート案内などのUXが向上し、顧客の来店体験を支援します。Azure Mapsの利用には別途Azureサブスクリプションが必要であり、既存の地図連携ロジックの再構成が必要となる場合があると思います。
これらの機能強化は、リアル店舗における“止まらない販売”と“迷わせない導線”を実現するものであり、Store Commerceの信頼性と顧客満足度を大きく引き上げるアップデートと言えるでしょう。今後の店舗運営は、テクノロジーによる“安定性”と“体験価値”の両立ができるのかどうか?ここが天下分け目の決戦になる可能性が高いと見立てます。
D365 Commerceよ、君はどこに向かっているのかい?
室長として、2025 Wave 2のリリース計画を俯瞰して感じるのは、Dynamics 365 Commerceは、価格と決済というコマースの根幹に対して、より柔軟で実用的な進化を遂げようとしていることです。統合価格管理やカスタム価格属性の導入により、運用の効率化だけでなく、顧客ごとの価値提案がしやすくなりました。また、非同期決済の対応範囲が広がったことで、より多様な商流や決済手段に対応できるようになり、現場の選択肢が確実に増えていくはずです。
これらの機能は、単なる業務改善にとどまらず、顧客との関係性をより丁寧に、より柔軟に築いていくための基盤になるはずです。今後のCommerceは、チャネルの統合だけでなく、体験の一貫性と信頼性をどう設計するかが問われるフェーズに入っていくのではないかと考えます。私も、こうした進化をしっかりと受け止め、現場の声とともに、より良いコマース体験の実現に向けて取り組んでいかなくてはなりませんね。
“売る”から“つながる”へトランスフォームしつつあるCommerceの未来は楽しみでしかありませんね!
続編はあるのか?|≪2025 wave2総まとめ編≫Dynamics 365よ、君はどこへ向かうのか?
~Copilotの先にある“思想”を探る。室長が語る、Dynamics 365 の全アプリを貫く未来のシステム設計図~
本稿を含め13回の連載でお届けしてきた2025 wave2アップデート纏め、いかがでしたでしょうか?10月から徐々にリリースになっていく機能があるので、非常にいいタイミングで公開できたように思います。
Sales、Commerce、SCM、Finance、Human Resource、Customer Service、Field Service、Project Operations、Contact Center、Customer insights₋Data、Customer insights₋Journeys、Business Central──2025 Wave 2で進化したすべてのアプリケーションには、共通する“意志”があるように感じました。それは、業務を効率化するだけでなく、【企業が顧客に選ばれる理由を再定義しなくてはならない】ということです。『各企業は、理由を分析し、更には今後の自社の戦略に基づき、顧客に選ばれしものになるために、AIを含めたビジネスプロセスを再構築することが喫緊の課題になっていなくてはならない状況』だというのが室長の見解です。本件、どこかのイベント、もしくはこのDx365Life Blogにて、改めてご紹介させていただきます。
それでは、今日はこのくらいで。Let’s Enjoy our DX365Life!
