Dynamics365 2025 wave2_HumanResource

こんばんは。室長こと、吉島良平Microsoft MVP for Business ApplicationsMicrosoft Regional Director) です。皆さま、お元気ですか!

今は9月2日22時15分です。気付くと9月ですね。3月決算の企業にお勤めの方は半期の締めですか。だとすると、うちは6月決算なので第一四半期の締めだ。頑張らなきゃ”(-“”-)”

おっと、9月は祝日が2日(敬老の日/秋分の日)あるから、今月もあっという間に終わってしまいそうですね。。。やっば💦

早速ですが、気を取り直して 、Dynamics 365 2025 wave2に関する連載の続きを書いていこうと思います。全13回のうち11回目の投稿が前回おわり、あと2回。いよいよゴールが近づいてきました。それでは、Microsoft Learnの公開情報をもとに室長の理解で解説していきたいと思います。

D365 Human Resourceよ、君はどこに向かっているのかい?

人事部門は長らく「管理業務の集積地」として、採用、勤怠、給与、福利厚生といった定型業務を担ってきました。Excelとメールでのやり取り、紙ベースの申請、属人的な判断。それらは、効率化の対象でありながら、なかなか変革が進まない領域でもありました。しかし今、Dynamics 365 Human Resourcesはその役割を大きく変えようとしています。2025 Wave 2で示された方向性は、単なる業務効率化ではなく、人事が経営戦略の中心に立つための“再設計”と言っていいかもしれません。Copilotの導入によって、採用から退職までのプロセスがAIによって支援され、従業員体験と人材戦略が直結する世界が現実のものとなりつつあります。

Dynamics 365 Human Resource バックオフィスから戦略の中心へ|Copilotが導く“人材戦略”の新常識

2025 wave 2は、Dynamics 365 Human Resourcesが『バックオフィスの管理ツール』から『経営の意思決定支援ツール』へと進化する転換期にあると個人的に感じています。人事部門が戦略の中心に立ち、AIとともに組織の未来を描く時代が、いよいよ始まるのではないかと、実は室長は正直ワクワクしています。

“人”に向き合う時間を取り戻す:AIが変える採用とオンボーディングの現場

人事業務の中でも、採用とオンボーディングは最も時間と労力を要する領域のひとつです。求人票の作成、面接調整、入社手続き、初日の案内等、そのすべてが人の手に委ねられてきました。しかし、2025 Wave 2で登場するCopilotは、これらの業務に“人の代わり”ではなく、“人の隣で支える存在”として入り込んできますw

≪Copilot in Dynamics 365 Human Resources≫

これまで、求人票の作成は職種ごとに一から書き起こす必要があり、内容のばらつきや表現の曖昧さが課題でした。特に複数ポジションを同時に募集する場合、HR担当者の負担は大きく、スピードと質の両立が難しい状況でした。

今回のアップデートでは、Copilotが職種の情報や過去の求人データをもとに、自然な言葉で求人広告の下書きを自動生成してくれます。担当者はその内容を確認・調整するだけで済み、作業時間は大幅に短縮されます。

ただし、生成された内容が企業文化や職場のリアルな雰囲気をどこまで反映できるかは、今後の運用で見極める必要があります。AIが“書ける”ことと、“伝わる”ことの間には、まだ人の目が必要だと感じます。

入社初日は、新入社員にとっても企業にとっても重要な瞬間です。これまで、オンボーディングは紙の資料やメールでの案内が中心で、情報の断片化や手続きの抜け漏れが起こりがちでした。人事担当者も、毎回同じ説明を繰り返す非効率な状況に悩まされてきました。

本アップデートでは、オンボーディングエージェントが新入社員の手続きをステップごとにガイドし、必要な情報やアクションをTeamsやOutlook上で自然に提示してくれます。
新入社員は「何をすればいいのか」が常に明確になり、不安なくスタートを切ることができます。

ただし、企業ごとのオンボーディングプロセスにどこまで柔軟に対応できるか、また、個別対応が必要なケースにどう寄り添うかは、今後のカスタマイズ性とAIの進化に委ねられるはずです。でも、良いものを創り上げていきたいと思います。

採用とオンボーディングは、企業と人材の最初の接点です。そこにAIが介在することで、人事担当者は“作業”から解放され、“人”に向き合う時間を取り戻すことができます。Copilotは、単なる自動化ツールではなく、人事の現場に寄り添う“デジタルパートナー”として、これからのHR業務を支えていく存在になっていくのかもしれませんね。

人事が“つながる”ことで変わる──Vivaとの統合がもたらす従業員体験の革新

人事部門が戦略の中心へと進化するためには、単に業務を効率化するだけでは不十分です。従業員一人ひとりが、自分のキャリアや働き方に主体的に関われる環境。つまり、“従業員体験(EX)”の質を高めることが不可欠です。今回のアップデートでは、Dynamics 365 Human ResourcesがMicrosoft Viva Connectionsと統合され、人事部門が従業員の日常に自然に入り込む仕組みが整ってきたようです。

≪Optimize Human Resource Operations≫

これまで、人事情報はポータルや専用システムに閉じており、従業員がアクセスするにはログインや検索が必要でした。結果として、福利厚生の申請や研修の確認など、ちょっとした手続きが“面倒な作業”になってしまっていたのです。

今回の統合により、TeamsやOutlookといった日常的なツールの中で、人事機能が“自然に表示される”ようになります。従業員は、チャットの合間に研修を確認したり、会議の前に休暇申請をしたりと、業務の流れの中で人事情報にアクセスできるようになります。

これは、従業員体験の質を高めるだけでなく、人事部門が“現場とつながる”存在へと変わることを意味します。

今後の検討ポイント:EXの設計は“体験”そのもの

Vivaとの統合は、単なるUI/UXの改善ではありません。従業員がどのタイミングで、どんな情報に触れるべきか。その“体験設計”が、今後の人事戦略の鍵となります。人事部門は、従業員の行動データやフィードバックをもとに、“どんな体験が働きがいにつながるのか”を設計する役割を担うようになるでしょうね。この統合によって、Dynamics 365 Human Resourcesは、従業員の働き方に寄り添う“体験設計ツール”へと進化しています。人事が現場とつながり、従業員が人事部門を“使いたくなる”存在になる。これこそが、これからの人材戦略の新常識になっていくでしょう。

D365 Human Resourceよ、君はどこに向かっているのかい?

室長として、2025 Wave 2のリリース計画を俯瞰して感じるのは、Dynamics 365 Human Resourcesが“管理業務の効率化”から“人材戦略の実行基盤”へと進化しているということです。人事はもはや、勤怠や給与を処理するだけの部門ではありません。企業の成長を支える「人材の力」を最大化するために、戦略的に“人”と向き合う部門へと変わろうとしています。

Copilotの導入によって、採用・オンボーディング・研修・キャリア開発といった人事業務が再設計され、AIが“人事の隣に立つ存在”として、業務の質とスピードを支えます。
求人票の自動生成や、オンボーディングエージェントによる新入社員支援は、単なる作業の効率化ではなく、人事担当者が“人に向き合う時間”を取り戻すための仕組みです。

さらに、Microsoft Vivaとの統合により、人事部門は従業員の日常に自然に入り込み、TeamsやOutlookの中で“使いたくなる人事”へと変わります。これは、従業員体験(EX)の質を高めるだけでなく、人事が現場とつながる“体験設計者”としての役割を担うことを意味します。

このような進化は、企業にとっても大きな転換点です。AIによる判断支援をどこまで業務に組み込むか、社内ルールやコンプライアンスとの整合性をどう取るか。人事部門は、テクノロジーと人間らしさのバランスを見極めながら、“人材戦略の実行者”としての責任を果たす必要があります。

Dynamics 365 Human Resourcesは、人事を“バックオフィス”から“戦略の中心”へと導くプラットフォームへと進化しています。AIと人が協働する新しい人事のかたち。それは、企業の未来をつくる“人材の力”を、より深く、より広く引き出すための挑戦だと思う訳です。

次回予告:Commerceは“体験”で差をつける時代へ|Copilotが描く次世代購買戦略

人事が戦略の中心へと進化する一方で、企業が次に向き合うべきは「顧客との接点」です。次回は、Dynamics 365 Commerce 2025 wave2の公開情報から、“体験価値”を軸にした次世代の購買戦略を深掘りしていきます。

オンラインとオフラインの垣根を越え、パーソナライズされた購買体験を実現するCopilotの役割とは何か?店舗、EC、マーケティング、在庫管理等。これらがすべてがつながるCommerceの世界で、企業はどのように顧客と向き合うべきでしょうか?

“売る”から“つながる”へトランスフォームしつつあるCommerceの未来を、室長の視点で読み解きます。次回もどうぞご期待ください。

それでは、今日はこのくらいで。Let’s Enjoy our DX365Life!

dx365jp
  • dx365jp
  • 24年ほど、Microsoft Dynamics ERP(NAV/AX)+CRMの導入コンサルティングに従事し、日本を含む34か国において導入コンサルティングを経験してきました。グローバル環境における“プロジェクト”と“マーケティング”を生業としております。

    最近は、【CRM/MKTG(攻めのDX)⇔ ERP(守りのDX)】+【ローコード】というDX365な活動に奮闘中です。Microsoft Dynamics 365 ビジネスで地球を90周中です。#DX365 #DynamicsIoT

    Microsoftの運営する外部技術者グローバル組織「Microsoft MVP(*日本165名/世界3023名)・ Microsoftのトラスティッドアドバイザーである「Microsoft Regional Director (*日本4名/世界189名)」として、複数のITコミュニティーにて活動中。(*2022/07/06時点)

    プロフィールはこちら→bit.ly/Dynamics365JP