Dynamics365 2025 wave2_CustomerService

こんばんは。室長こと、吉島良平Microsoft MVP for Business ApplicationsMicrosoft Regional Director) です。皆さま、お元気にお過ごしでしょうか。いよいよ9月ですね。今は24時00分、少落ち着いているところです。週末のラグビー(日本代表vsカナダ代表)野球(高校野球女子選抜vsKOBE CHIBEN)、とても面白かったですね。見ました?改めてスポーツっていいなぁって思いました。でも、現地に見に行きたかったなぁ。ライブで見れた方は本当に良かったですね。羨ましい!

https://www.rugby-japan.jp/match/28261 https://www.womenbaseball-ichiro.jp/2025/

秋には、oasis様が来日するようですね。深夜にSpotifyで公開されているワールドツアーのセトリを聴きながら、Blogを書くことも多くなりそうです(笑)

https://www.livenation.co.jp/oasis2025

今年はマライアキャリー様も来日されると聞きました。彼らのような世界的なSuper Starが日本で見れるチャンスがあるのは素晴らしい事ですよねぇ。いいモチベーションになります。

さて、Dynamics 365 2025 wave2に関するBlogは、現在9/全体13が終わり、あと4つを残すのみとなってきました。

10月から一般公開される機能もあるので、今週中に終えておきたいと思っています。

室長としての個人的なサマリー(Dynamics 365 2025 wave2)は、9月6日(土曜日)に講演を担当する「気ままに勉強会」にてご紹介をさせていただきます。

ご興味がある方で、お時間に余裕があるようであれば、是非ご参加ください♪

D365 Customer Serviceよ、君はどこに向かっているのかい?

2025年10月から2026年3月にかけて展開される「Dynamics 365 Customer Service 2025 Wave 2」では、CopilotによるAI支援の深化と、サービス担当者・管理者・スーパーバイザーの体験向上がメインとなっているようでした。ここでは、Copilotを中心とした新機能群がどのように「神対応」を標準化し、顧客対応の新常識を築いていくのかについてMicrosoft Learnの公開情報に基づき室長の理解で解説していきたいと思います。

 

AIが“神対応”を標準化する|Copilot が導く顧客対応の新常識

≪Administrator Experiences≫

管理者の新たな武器:メールに“情報保護ラベル”を適用可能に

今回のWave 2で追加された機能の中でも、管理者として特に注目すべきは、Microsoft Purviewで定義されたデータ保護ラベル(Sensitivity Labels)を、Dynamics 365 Customer Serviceのメール送信時に適用できるようになった点です。これまで、顧客対応におけるメールのやり取りは、現場の担当者の判断に委ねられる部分が多く、情報漏洩リスクを完全に排除することは困難でした。しかし、この新機能により、管理者はあらかじめラベルポリシーを設定することで、送信されるメールに対して暗号化や転送制限などの保護措置を自動的に適用できるようになります。

担当者は、メール作成時に適切なラベルを選択するだけで、組織の情報保護ポリシーに準拠した対応が可能となり、現場の負担を軽減しつつ、セキュリティ水準を一段と高めることができます。これは、特に金融・医療・公共分野など、厳格な情報管理が求められる業界において、大きな意味を持ちます。

また、ラベルの適用状況は監査ログとして記録され、ポリシー違反の検出にも活用できます。これにより、セキュリティとガバナンスの両立が現実のものとなり、顧客対応の信頼性を組織全体で支える体制が整いますね。

このように、Copilotによる業務支援が進化する一方で、管理者には情報統制とリスク管理の責任がより明確に求められる時代が到来しています。AIの力を活用しながらも、組織としての判断と設計を怠らない姿勢が重要だと改めて感じました。

≪Copilot and AI Innovation≫

2025 Wave 2で発表されたCopilot関連機能は、顧客対応の現場におけるAI活用を、単なる支援から“共創”へと進化させる可能性を秘めています。これまでのバージョンでは、担当者の経験や判断に依存していた業務が多く、対応品質やナレッジの蓄積にばらつきが生じることもありました。今回のアップデートでは、そうした課題に対してAIがより深く関与することで、組織全体の対応力を底上げする構想が打ち出されているように受け取りました。

CopilotとAIの革新:顧客対応は“支援”から“共創”へ

これまでナレッジベースの更新は、現場の担当者が手動で行う必要があり、情報の鮮度や網羅性に課題がありました。今回新たに計画されているCustomer Knowledge Management Agentでは、Copilotが対応履歴や顧客とのやり取りから有用な情報を抽出し、ナレッジベースに自動的に反映する仕組みが導入されるようです。これにより、知識の蓄積が継続的かつ組織的に行えるようになると期待されています。ただし、自動生成されたナレッジの品質や正確性については、管理者によるレビュー体制の整備が必要になる可能性がありますね。

従来、メールテンプレートの選定は担当者の経験に依存しており、対応のばらつきや時間的ロスが発生していました。今回のアップデートでは、Copilotが顧客の文脈や過去の対応履歴をもとに、最適なテンプレートをリアルタイムで提案する機能が追加されるようです。これにより、対応の均質化と業務効率の向上が期待されます。ただし、提案されるテンプレートが業界や地域の表現に適しているかどうかは、導入前に確認しておく必要があるでしょうね。

テンプレートの文面はこれまで固定的で、状況に応じた柔軟な表現を加えるには担当者の工夫が求められていました。今回の機能では、Copilotがテンプレート内にプロンプト(文面の方向性やトーン)を自動生成し、担当者が適切な言葉選びをしやすくなるよう設計されているようです。特に感情的な問い合わせや複雑な対応において、AIが“言葉の設計”を支援することで、対応の質が一段と高まる可能性があります。ただし、プロンプトの内容がブランドトーンや社内ガイドラインに沿っているかどうかは、導入前に慎重に検証しておく必要がありますね。

これまでのCopilotは単独で動作しており、他のAIエージェントとの連携は限定的でした。今回のWave 2では、Model Context Protocol Serverを介して、Copilotが他のAIエージェントと情報を共有し、役割分担を行うことで、より高度な判断や対応が可能になる構想が示されています。これは、AIが“チーム”として機能する未来像を描いており、複雑な問い合わせやマルチチャネル対応において特に有効と考えられます。ただし、他AIとの連携におけるセキュリティや責任分界の設計は、導入前に十分な検討する時間をもったほうがいいように思っています。

ケースの進捗管理やステータス更新などは、これまで手動で行われており、対応漏れや遅延の原因となっていました。今回のアップデートでは、Case Management Agentがこれらのタスクを自動化することで、担当者が本質的な対応に集中できる環境が整うとされています。人間は“考える”業務に専念し、AIが“繰り返す”業務を担うという分業体制が、顧客対応の質とスピードを両立させる鍵になるでしょう。ただし、既存の業務フローとの整合性や例外処理の設計については、事前に確認しておくべきポイントだと認識しておきましょう。

これらの機能は、現在2025 Wave 2のリリース計画段階にあり、実装内容や提供時期については変更の可能性もあります。室長としては、Copilotの進化を歓迎しつつも、導入にあたっては現場とのすり合わせと、セキュリティ・ガバナンス面の確認を怠らない姿勢が重要だと考えています。

≪Service Representative Experiences≫

2025 Wave 2では、サービス担当者の業務効率と操作体験を向上させるための機能が複数計画されています。これらの機能は、日々の対応業務における“ちょっとした不便”を解消し、よりスムーズで安定した顧客対応を可能にするものです。ここでは、特に注目すべき5つの機能についてご紹介します。

Service Representative Experiences:現場力を支える“実務の進化”

これまで、サービス担当者が利用できるツールは標準機能に限られており、業務スタイルに合わせた柔軟なカスタマイズが難しい状況でした。今回のアップデートでは、担当者ごとに最適化されたカスタム生産性ツールを導入できるようになるとされています。これにより、業務の流れに沿ったツール設計が可能となり、対応スピードや正確性の向上が期待されます。ただし、ツールの設計や運用ルールについては、IT部門との連携が不可欠ですね。

従来、ブラウザのリフレッシュや予期せぬ再起動が発生すると、作業中のセッションが失われ、業務が中断されるケースがありました。今回のWave 2では、セッションの自動復元機能が追加されるように計画されており、ブラウザ更新後でも作業状態が保持されることで、業務の継続性が確保されると見込まれています。ただし、復元対象となるデータの範囲や保持期間については、事前に仕様の確認が必要ですね。

これまでは、サービス担当者側でのマルチセッション対応が中心であり、顧客が複数の問い合わせを並行して扱うことは難しい状況でした。今回のアップデートでは、顧客自身がマルチセッションアプリを利用できるようになる構想が示されており、複数の問い合わせや手続きが同時進行できるようになるとされています。これにより、顧客体験の向上と対応効率の両立が期待されますが、UI/UX設計や操作ガイドの整備が導入前の重要な検討事項となるはずです。使うべきところには時間を使っていきましょう。

従来、複数の会話に対して一括で操作を行うには、手動で選択・処理する必要があり、時間と手間がかかっていました。今回のWave 2では、フィルター条件に基づいた会話への一括操作が可能になるよう計画されており、例えば「未対応」「特定のタグ付き」などの条件で絞り込んだ会話に対して、まとめてアクションを実行できるようになるとされています。業務効率の向上が期待される一方で、誤操作防止のための確認プロセス設計が重要となりますね。

これまで、SLAに基づく自動アクションはシステム側で固定的に処理されるため、現場の柔軟な対応が難しい場面もありました。今回のアップデートでは、タイムアウトルールを上書きできる設定が追加されるようで、状況に応じて自動アクションの挙動を調整できるようになるとされています。これにより、例外対応や特別なケースにも柔軟に対応できるようになりますが、ルールの設計と運用管理には慎重な検討が求められるはず。しっかりとチームをフォローしていきましょう。

これらの機能は、現在2025 Wave 2のリリース計画段階にあり、実装内容や提供時期については変更の可能性もあります。室長としては、現場の声を反映した改善が進んでいる点を評価しつつも、導入にあたっては業務フローとの整合性や運用ルールの明確化を重視すべきと考えています。

≪Supervisor Experiences≫

Supervisor Experiences:業務の可視化と運用精度

2025 Wave 2では、スーパーバイザーの業務支援に焦点を当てた機能が計画されています。これらの機能は、対応品質の維持や業務の可視化を支援するものであり、現場の運用精度を高めるための仕組みとして注目されています。ここでは、特に業種別のテンプレート管理に関する新機能についてご紹介します。

これまで、メールテンプレートは一律に管理されており、業種や部門ごとの違いを明確に区別する仕組みが不足していました。特に複数の事業領域を持つ組織では、テンプレートの選定ミスや運用の混乱が発生することもあり、スーパーバイザーにとっては管理負荷の高い領域でした。

今回のWave 2では、メールテンプレートに「業種(Line of Business)」タグを付ける機能が新たに計画されており、これによりテンプレートの分類管理がより明確になるとされています。たとえば、製造業向け、金融業向け、公共部門向けなど、事業領域ごとにテンプレートを整理することで、担当者が適切な文面を迅速に選択できるようになると期待されています。

この機能は、テンプレートの検索性や運用効率を高めるだけでなく、対応品質の均質化にも寄与する可能性があります。ただし、タグの定義や運用ルールについては、事前に組織内での合意形成が必要です。また、既存テンプレートへのタグ付け作業や、タグの更新管理についても、導入前に体制を整えておくことが望ましいでしょう。

なお、この機能は現在リリース前の段階であり、実装内容や動作仕様については変更の可能性もあります。導入にあたっては、例によってMicrosoftの公式ドキュメントやプレビュー環境での検証を通じて、実運用に適した設計を行うことが重要になりますね。

≪Unified Routing≫

2025 Wave 2では、ケースの割り当てに関する判断精度を高めるための機能が強化される予定です。これらの機能は、担当者の対応可能状況や在席状態をリアルタイムに反映し、より的確な業務配分を可能にするものです。ここでは、Assign操作によってキャパシティとプレゼンスを更新する新機能についてご紹介します。

“割り当て”が業務の流れを最適化する:担当者の状況をリアルタイムに反映

これまで、ケースの割り当てに際しては、担当者の対応可能状況(キャパシティ)や在席状態(プレゼンス)をリアルタイムで反映する仕組みが限定的であり、実際の業務負荷とシステム上の割り当てが乖離するケースも見受けられました。特に、複数チャネルでの同時対応や、急な業務変更が発生した際には、ルーティングの精度に課題が残っていたと言えます。

今回のWave 2では、ケースの「Assign(割り当て)」操作を通じて、担当者のキャパシティとプレゼンス情報を同時に更新できる機能が新たに計画されています。これにより、ケースが割り当てられた瞬間に、担当者の対応可能枠が減算され、在席状況も反映されることで、次のルーティング判断により正確な情報が活用されるようになると期待されています。

この機能は、ルーティングの精度を高めるだけでなく、業務の公平性や負荷分散の観点からも重要な改善となるでしょう。ただし、Assign操作がどのタイミングでどの情報を更新するか、また他の自動ルーティングロジックとの整合性については、導入前に仕様を確認しておく必要があります。

なお、この機能は現在リリース前の段階であり、実装内容や挙動については変更の可能性もあります。室長としては、こうした機能が現場の実態に即した運用を支えるものであることを歓迎しつつも、運用ルールの明確化と、担当者への影響の事前検証を怠らない姿勢が重要だと考えています。

D365 Customer Serviceよ、君はどこに向かっているのかい?

Dynamics 365 Customer Serviceは、今まさに大きな転換点を迎えているように感じます。これまでのバージョンでは、顧客対応の記録や進捗管理といった、いわば“受け身”の機能が中心でした。現場の担当者が手動で情報を入力し、管理者がそれをもとに状況を把握する――そんな運用が当たり前だった時代です。

しかし、2025 Wave 2で示された方向性は、これまでとは明らかに異なります。Copilotを中心としたAI機能の進化により、Customer Serviceは“記録するシステムから、考え、提案し、共に動くパートナー”へと進化しようとしているように思えます。

ナレッジベースの自動更新、メールテンプレートの文脈提案、ケース管理の自動化など、Copilotが業務のあらゆる場面に介入し、担当者の判断を支援する仕組みが整いつつあります。これにより、現場では「繰り返す作業はAIに任せ、人間は考える業務に集中する」という理想的な分業が実現される可能性があります。

また、サービス担当者の体験向上に向けた取り組みも見逃せません。セッションの自動復元やマルチセッション対応、カスタムツールの導入など、日々の業務における“ちょっとした不便”を解消する機能が計画されています。これは、現場で働く人々の声に耳を傾けた改善であり、非常に意義深いものと感じております。

さらに、スーパーバイザーや管理者にとっても、業種別テンプレート管理やSLAアクションの柔軟な制御など、運用の精度と柔軟性を両立する機能が充実してきています。現場の判断を支える“見える化”が、ようやく本格的に動き出した印象です。

そして、Unified Routingの進化も特筆すべき点です。Assign操作によって、担当者のキャパシティとプレゼンスが即座に更新されることで、より的確な業務配分が可能になります。これは、「今、誰が、どれだけ対応できるのか」という情報をもとに、業務の流れを最適化する仕組みであり、現場の実態に即した運用が可能になると期待されます。

室長として申し上げるならば、Dynamics 365 Customer Serviceは今、“業務支援ツール”から“知的なサービスプラットフォーム”へと進化する道を歩んでいるように見受けられます。
この進化は、単なる機能追加ではなく、顧客との関係性を深め、現場の知恵を組織の力に変えるための構造改革とも言えるでしょう。

ただし、技術の進化を真に活かすためには、現場とのすり合わせ、運用設計、そして人材育成が不可欠です。AIがどれほど優れていても、それを活かすのは人間の判断と設計力です。
つまりD365 Customer Serviceの未来は、我々の手の中にあると言えるでしょう。

次回予告:Dynamics 365 Project Operations|プロジェクト管理の未来を問う

次回のDX365Life Blogでは、Dynamics 365 Project Operationsの2025 Wave 2アップデートに焦点を当てる予定です。プロジェクトの計画、実行、収益化までを一貫して支えるこのアプリケーションが、CopilotやAIの力をどのように取り入れ、プロジェクトマネジメントの在り方をどう変えようとしているのかを掘り下げていく予定です。

「プロジェクトは“管理”から“最適化”へ」―そんな時代の到来を感じさせる機能群が、すでに計画段階で姿を見せ始めています。室長としては、現場の実務と経営判断の橋渡しを担うこの領域に、どのような変革が起きようとしているのか、非常に注目しています。是非ご期待ください♪

それでは、今日はこのくらいで。Let’s Enjoy our DX365Life!

dx365jp
  • dx365jp
  • 24年ほど、Microsoft Dynamics ERP(NAV/AX)+CRMの導入コンサルティングに従事し、日本を含む34か国において導入コンサルティングを経験してきました。グローバル環境における“プロジェクト”と“マーケティング”を生業としております。

    最近は、【CRM/MKTG(攻めのDX)⇔ ERP(守りのDX)】+【ローコード】というDX365な活動に奮闘中です。Microsoft Dynamics 365 ビジネスで地球を90周中です。#DX365 #DynamicsIoT

    Microsoftの運営する外部技術者グローバル組織「Microsoft MVP(*日本165名/世界3023名)・ Microsoftのトラスティッドアドバイザーである「Microsoft Regional Director (*日本4名/世界189名)」として、複数のITコミュニティーにて活動中。(*2022/07/06時点)

    プロフィールはこちら→bit.ly/Dynamics365JP